【#今こそひとつに】都市対抗野球で恩返しを― 名門・日本新薬が医療現場と社員に感謝

社会人野球の名門・日本新薬の吉野翔太選手【写真提供:日本新薬】

11月22日から始まる都市対抗野球へ動き出した社会人野球

コロナ禍で活動を制限されていた社会人野球も、11月22日から始まる都市対抗野球大会に向けて動き出している。36回の都市対抗野球出場を誇る名門・日本新薬も3日に近畿地区第2次予選を迎えるが、ここまでの道のりは険しいものだった。吉野翔太主将は会社やファン、そして医療従事者への感謝を伝え、頂点を目指すことを誓った。

ようやく公式戦の舞台がやってくる。社会人野球も6月に開催予定だった日本選手権など日本野球連盟主催の大会が新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった。チームも活動休止を経て、少しずつ、練習やオープン戦などをこなし、野球部としての日常を取り戻してきた。

日本新薬の社員は病院への薬剤の情報提供や新薬の開発を行うなど、医療現場のスタッフと接することが多い。現役の野球部員が直接、医師らと関わりを持つことはないが、野球部OBらにはMR(医薬情報担当者)がおり、選手は先輩や後輩たちから病院の現状、その大変さは伝え聞いていた。

吉野翔太主将は心から感謝の気持ちを抱き、プレーをすることを誓った。

「医療従事者の頑張りがなければ、この国難を乗り越えることはできません。心からお礼をお伝えしたいと思います。ありがとうございます。私たち野球部も公式戦の中止や活動自粛の時を経て、今、都市対抗野球大会に向けて動き出しました。当たり前のことが当たり前ではなくなっている今、こうして野球ができていることに、医療と向き合う会社の方々にも感謝しております」

チームもひとつになって、大きな目標に向かっている。吉野主将は集団で練習ができず、離れ離れになった時、「大会は一発勝負。チームがひとつにならないと勝つことはできない。自主練習で、個々の能力上げて頑張ろう」と声をかけた。再会するときは一段とレベルアップすることをメンバーと誓い合った。

元野球部員のMRから医療現場の大変さを知る

会社の支援、協力もあって、密を避ける形で練習再開が容認された6月。吉野主将は「すごく練習しましたし、オープン戦が始まって、チームとしてよくなってきていると感じていました。それは当たり前にできていた試合、練習ができなくなったことで、表れた感謝の気持ちがそうさせたのかなと思います」と変化を感じ取っている。

練習の間、吉野主将は野球部の後輩だったMRに医療現場の状況も聞いていた。「東京でMRをやっているですが、(会社のある)京都では感じられないようなことが(感染者の多い)東京では起こっている、と。なかなか仕事にならない難しさを感じているようでした」。医師やスタッフに会うことできず、貴重な薬剤の情報提供をすることがなかなかできない時期もあったと聞いた。

ただ、そういう社員の頑張りがあるからこそ、自分たちは野球ができている、道具などの環境整備をしてもらっている――。その思いは決して忘れることはない。

応援してくれているファンのためにも、一球一球を必死で追う。公式ホームぺージでは動画撮影したものをアップしたり、地域のゴミ拾いなど社会貢献活動も行っている。「大変な時期ですが、何とか都市対抗野球大会に出場して、応援してくれている人のために泥臭く、一人でも多くの方に喜んでいただけるよう、日本新薬の誇りを胸に全力でプレーしていきたいと思います」。恩返しの戦いに、全身全霊を込めていく。

【動画】医療現場に「感謝」…日本新薬・吉野主将が気持ちを込めたメッセージ動画

【動画】医療現場に「感謝」…日本新薬・吉野主将が気持ちを込めたメッセージ動画

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