【自民党総裁選】「見ている人は見ている」 菅氏名乗りに元秘書議員ら感慨ひとしお 手腕期待

菅義偉官房長官

 菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)が自民党総裁選に名乗りを上げたことについて、同氏の秘書だった地方議員は感慨深く受け止めた。コロナ対応や長期政権が積み残した政策課題、政治疑惑…。新総裁になった場合、難しいかじ取りが予想されるが、秘書として支え、見てきた政治手腕に期待を寄せている。

 「見ている人は見ているものだな、と」。そう話すのは清水富雄横浜市議だ。

 菅氏が横浜市議時代に約8年間、秘書を務めた。あいさつ先が留守の場合、ポストに名刺を立てかけ、深々とおじぎをして帰る-。そんな姿が今も鮮明に記憶に残る。党内に派閥横断で菅氏への期待感が広がる背景には、そうした実直な仕事ぶりや政治への情熱が評価されたから、とみる。

 菅氏をバッターボックスに立つ前の打者に例え、「地元は一体となり、スタンドから精いっぱい声援を送りたい」と話した。

 「安倍政権が残した宿題をやりきらなければならないという責任感ではないか」。田中信次県議は「ポスト安倍」に有力視されながら、出馬に慎重な姿勢を崩さなかった菅氏が大一番へ打って出た心境をこう読み解いた。

 「あす表明するからよろしく頼む」。1日に電話を受けた加藤元弥県議は「最高の名番頭ながらいずれはてっぺんに、というのが支える僕たちの悲願。この有事を乗り越えられるのは菅先生しかいない」と力を込めた。安倍政権の森友・加計問題などへの対応は新総裁も避けられそうにないが、「しっかりと見極めて対応すると思う」と語った。

 「頑張っていれば必ず誰かが見ていてくれる」「人に見返りを求めず、決断したらその道を進め」─。 遊佐大輔横浜市議は、菅氏から言われてきた言葉を思い返し、「菅さん自身がいま、それを実行している」と受け止めた。

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