健脚72歳、横浜・三ツ沢公園1万周到達 日本~ブラジル間の距離に相当

三ツ沢公園の外周を29年で1万周走った大村さん=横浜市神奈川区

 29年前に三ツ沢公園(横浜市神奈川区)の外周(約1.7キロ)のランニングを始めた男性が、今月1日に計1万周に到達した。同市陸上競技協会副会長の大村康一さん(72)=同市保土ケ谷区=がその人だ。1万周目を走った翌日には「もう一度フルマラソンに出たい」と意欲をのぞかせ、1万周はあくまで通過点だ。

 29年かけて走った距離は約1万7千キロ。日本から太平洋を越えてブラジルまでの距離に相当する。大村さんは「よく1万周も走ったなあ」と感慨深げだ。

 ランニングを始めたのは金融機関に勤務していた43歳の時。体重増加がきっかけだった。仕事はデスクワークがほとんどで、酒を飲むことも多く、当時は160センチの身長に体重74キロ。出向先の同僚女性から「痩せないと駄目。一緒に走ろう」と社内の陸上同好会に誘われた。

 学生時代は山岳部だったが、社会人になってからは「運動といえばゴルフくらいだった」という。勤務地に近かった皇居の1周に挑戦したが、最初は200メートルほど走っただけで息切れしてしまった。同僚と肩を並べて走りたいと、自宅近くの三ツ沢公園を走り始めた。1周目を走ったのは1991年8月3日だった。

 「1人で淡々と走るのが性に合っていたのか、面白くなった」と、走り始めて約半年後には10キロの大会に出場。さらに約1年半後には、フルマラソンを完走した。これまでフルマラソンに10回出場し、ベストタイムは3時間18分5秒という。

 最近は1周13分前後で三ツ沢公園を走っているが、「さすがに気合が入った」という1万周目のタイムは11分19秒。走り終えた瞬間を「本当に気持ち良かった」と振り返る。

 陸上競技の審判資格を取った縁などから現在は同協会の副会長を務め、競技普及にも尽力する。これからも週2回程度、同公園を5、6周走り続けるつもりで「一年でも長く走りたい」と力強く語った。

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