慶大SFC、活動制限レベル2へ引き下げ

土屋大洋総合政策学部長、脇田玲環境情報学部長、加藤文俊政策・メディア研究科委員長、廣田とし子湘南藤沢キャンパス事務長らは4日、「総合政策学部/環境情報学部/政策・メディア研究科2020年度教育・研究活動を維持するための基本方針」を更新し、活動制限レベルをレベル3からレベル2に引き下げると発表した。今後、感染症の勢いが増した場合は「躊躇することなく活動制限レベルを引き上げます」としている。

この発表で明らかになった方針は主に以下のとおり。

学生の入構規制も緩和へ

レベル3では、学生が教育・研究活動のために入構する場合は事前の申請が必要だったが、レベル2の指針では「要申請」という言葉が外され「教育・研究等で必須の場合のみ」となっている。また、レベル3では「オンライン」となっていた学生の課外活動もレベル2では「原則としてオンライン」となり、申請の上許可された場合のみキャンパスで課外活動ができるという。

入構確認は特設ゲートで

8月31日から、「慶応大学本館前」と「慶応中高等部前」のバス停運用が再開されたことを受け、入構確認は北門警備所ではなく、Ω館とΑ館の間に設置された特設ゲートで行うこととなった。キャンパスに入構する際は交通手段や入構場所に関わらず、必ず最初に特設ゲートを通ることとなる。また、「慶応中高等部前」のバス停は中高関係者以外は利用できない。 特設ゲートでは、教職員証またはキャンパスカード、学生証をもっている学内関係者は、手書きの記録票ではなく非接触カードリーダーで入構を記録する。9月上旬以降は、特設ゲートに自動顔認識をするサーマルカメラが設置され、検温を実施するという。 感染発生時のトレーシングのため、収集した入構記録は管轄の保健所に提供されることがある。

授業中の教室での食事・夜間残留は禁止

平時では認められていた、授業中の教室での食事が禁止される。学生がキャンパスで食事をとる際は、キャンパス内飲食店舗、もしくは別途設定される食事用教室を利用することとなる。 また、夜間残留も禁止される。

授業形態は「完全オンライン」「オンライン(SFCの教室から配信)」「オンキャンパス」のいずれか

秋学期の授業形態について、7月8日に発表されていたとおり、「完全オンライン」「オンライン(SFCの教室から配信)」「オンキャンパス」のいずれかとなる。 なお、あわせて発表された「2020年度秋学期授業の実施形態について(続報)」によると、一部教室を自習室とし、「完全オンライン」の授業をキャンパス内で受講することを希望する場合は自習室を利用できる。また、「オンライン(SFCの教室から配信)」の授業についてはキャンパスに来ることなく履修可能だが、希望する学生はキャンパスで受講できる。

発表ではこれらの方針に加え、感染者に対する嫌悪・偏見・差別的言動への注意喚起として「私たちは、SFCというコミュニティを分断する偏見、差別、人権侵害が起きないよう、自分や周囲の言動に注意を払い、不安を共有しつつも、配慮と思いやりが静かに広がるキャンパスを創っていきましょう」としている。

塾長メッセージ 対面授業の実施やキャンパス利用再開に向けて

SFCでのこの発表に先駆けて長谷山彰塾長は4日、「塾生の皆さんへ−秋学期に向けて」という塾長メッセージを公開した。その中で秋学期について、オンライン授業を継続しながらも、一部の授業をオンキャンパス(対面)で実施する予定であることなどを発表した。すでに一部始まっているキャンパスへの立ち入りや施設の利用再開についても、安全対策を徹底した上で段階的に進めてゆくこととした。

メッセージで塾長は「春学期の経験から、オンライン型にも反復学習や同時双方向の議論など一定の効果があることが確かめられました」としたものの、「教員や仲間とのふれ合いは人格形成の上で重要な要素であり、教室、図書館、体育館、グラウンドなどキャンパスでの多様な学びは、正課と課外を両輪として人格の陶冶を重んじる慶應義塾の教育の根幹」であるとし、キャンパスでの学びが重要である認識を示した。

最後に「慶應義塾の塾生は、単に学生であるにとどまらず、慶應義塾社中の一員です。一緒に力を合わせてこの危機を乗り越え、慶應義塾の独立自尊の精神と自由で大らかな学問の伝統を守っていきましょう」と呼びかけた。

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