ウエイトリフティング 好奇心と向上心 楳木紀音(大分工業3年)

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 自分の体重より重いものを持ち上げることができるのか―。そんな好奇心からウエイトリフティングを始めた。楳木紀音(大分工業3年)は、中学までは水泳やテニス、陸上で活躍していたが、チーム大分ジュニアアスリート1期生として高い身体能力を見出された。「トータルバランスが優れ、穴がない」というのが梶原誠監督(大分工業)の楳木の評価だ。当初はボートで勝負すると心に決めていたが、恩師と慕う梶原監督の褒め言葉が心地よく、全身を使って重いものを持ち上げる、シンプルで奥深いウエイトリフティング競技の魅力に引き込まれた。

 

 身体を鍛え、バーベルを持ち上げる。この単純ともいえる作業を繰り返す。もちろん持ち上げる過程のなかで、いくつもの細かい動作があり、細切れにしてその動作を反復する。昨日より今日、今日より明日。楳木は「自分の成長が数字で測れることが楽しい」と話す。体と対話してコンディションをチェックし、「今日は自己新記録が出るかもしれない。軽い、上がるぞ!」と自己暗示をかけて、脳を活性化する。身体中にアドレナリンが分泌するのを感じ、バーベルを持ち上げる。その成功体験を積み重ね、3年目で自分の体重を上回る重さを持ち上げることができた。

 

「自分の成長がはっきりわかる」と語る楳木紀音

 今夏の県高校総体ではスナッチ62㌔、クリーン&ジャークで76㌔を記録し、参加選手のなかで最重量を持ち上げた。大会後も練習を続け、今月19日の記録会に備えている。ここでの記録が「全国高校ウエイトリフティング競技通信記録会」に提出され、10月中旬に男女各階級でランキングは決定する。楳木は「高校3年間の集大成として(自己新記録となった)県高校総体の記録を塗り替えたい」と意気込む。

 

 自分の体重より重いものを持ち上げてから、「自分はどれくらいの重さを持ち上げることができるのか」と好奇心と向上心は尽きない。「楽しくないと続けられない」と話す楳木は、これまでウエイトリフティングを辞めようと思ったことはない。「部活が楽しいから学校も楽しかった。これからも続けたい」と、進学し、競技を極める日々が続く。

 

県総体では自己新記録を更新した

(柚野真也)