不動産投資の1軒目、50万円からできる「地方高利回り投資」の注意点とは

不動産投資を始めるにあたって、まずはどのような物件を買うのがよいのでしょうか。自己資金が少ない場合、地方の物件から始めるという選択肢もあります。不動産会社での営業を経験し、自身も不動産投資で成功した黒崎裕之氏による著書『100万円からできる「地方・ボロボロ一戸建て」超高利回り不動産投資法』(日本実業出版社)より抜粋して紹介します。


まずは自己資金を200万円貯める

最初の物件を買うにあたって、自己資金をどれくらい用意すればいいのでしょうか。これは現金買いでもいいですし、日本政策金融公庫からお金を借りてもいいです。もっともいいのは手元に現金があることですが、資金が用意できない人はカードローンを使ったり、親族に頭を下げて借りたりといった方法はあります。

田舎のいいところは不動産の価格が安いことです。しかも注目する人が少ない。だからこそ、田舎ほどチャンスがあると考えています。私が所有する茨城県の物件は、200万円で買いました。大阪で買っている物件も100万円程度です。100万円くらいなら、かなりの人が自己資金として用意できると思います。あるいは、親族に頭を下げてまわれば貸してもらえる額ではないでしょうか。

このような経験から考えると、用意すべき自己資金は最低100万円として、足りない分を借ります。余裕を見て200万円を用意できればよりいいでしょう。

いずれにしても最初に買う物件は、とにかく安い物件です。自己資金が潤沢でない人は戸建てからスタートするという選択肢になります。資金に余裕が持てるのであれば、小ぶりなアパートからはじめるのもいいでしょう。

最初はスモールスタートが鉄則です。そして1軒目を買うには、現金でも、融資を使って購入するのでも、どちらでもいいと考えます。なぜかといえば、利回り重視で買っていくため、それが20~30%もあれば、金利の負担は大きなものではないからです。

自己資金200万円といいましたが、じつは不動産自体は50万円程度でも流通していますし、100万円の物件もあります。自己資金に関していえば一応200万円あれば安心ですが、それすら用意できない人は50万円程度の物件を買ってはじめることもできるのです。

また、ローンを使うのであれば、日本政策金融公庫や不動産の無担保ローン、そして簡単に借りることはできないかもしれませんが、地方銀行や信用金庫でも借りられます。なかには「ボロボロの物件の築古にお金を貸してくれるのか」と心配になる人もいるでしょう。ですが、建物に価値はなくても、土地の価値は残るので、土地の担保価値を評価しているので借りられるのです。

「修繕スカウター」を発動させる

地方高利回り投資においてもうひとつ大切なのは、修繕の費用はどれくらいかかるのかを自分で判断することです。しかし、これは誰でも簡単に判断ができるわけではありません。人には向き不向きがあります。ここでは「こういう人は不動産投資をやってはいけない」という判断にもかかわるポイントを挙げます。

まず、建物を見た瞬間に修繕費用がいくらかかるかの判断ができない人は、少なくとも、億近い物件をフルローンに近い条件で購入する投資法は危険です。大規模なRC造マンションであればわからないのも仕方ありませんが、対象が木造の戸建てやアパートだったら、ざっくりいくらかかるかを購入前に把握できなくてはいけません。

というのも、安く購入できるアパートや戸建てはだいたいリフォームが必要だからです。

そして、「ここをこう直したらこれくらいかかるかな」という目利きができなければ、リフォーム業者に不当に高い請求をされても気付くことができません。激安物件を購入する人はだまされないと述べましたが、リフォームは別です。小規模物件であろうと、ボッタクリに遭遇するリスクがあります。

そこで、物件を見た瞬間に、ある程度の修繕費用の検討ができなくてはいけません。

私はこれを「修繕スカウター」と呼んでいます。建物のなかに入った瞬間、クロスがいくらでCFがいくらで、トイレがいくらで、キッチンがいくらなど、これがわからないなら、その時点で投資をすると危険です。

もちろん、不動産投資をこれからはじめようという人が「修繕スカウター」を発動させることは難しいと思います。まずは、大家仲間の物件で修繕を学ばせてもらいましょう。

千三の否定をしましたが、ここでも同様です。何も不動産を1000件見る必要はありません。修繕について学べばいいと思います。大家仲間で同じような物件の修繕をしている人がいたら、それをそのままトレースするのが一番です。

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