九州各地から福岡へ 高速バスで輸送・販売

高速バスで運ばれた宮崎産の野菜などが入った容器を降ろす乗務員=福岡市中央区、西鉄天神高速バスターミナル降車場

 西日本鉄道(福岡市)などは、福岡と九州各地を結ぶ高速バスの空きスペースを活用して農水産物や加工品を福岡に運び、販売する取り組みを始めた。第1弾は宮崎で今後、長崎県を含む各地の路線にも広げる。
 旅客と貨物の輸送を一緒に行う「貨客混載」という手法。地域産品のマーケティングを手掛けるアップクオリティ(東京)と共同で実施する。今回は1日2便、約2週間行う。第2弾は10月以降に検討している。
 9月4日、宮崎から福岡に到着した高速バスのトランクから貨物を取り出し、福岡市天神にある西鉄グループの商業施設にある売り場に商品を並べる様子を報道機関に公開した。
 アップクオリティは、各地の農産品などを高速バスの貨客混載で首都圏に輸送・販売している。泉川大社長は長崎県諫早市出身。長崎県産農産物のブランディングなどに関わった経験があるという。「長崎産のイチゴやミカンといった農産物、水産物も運びたい」と話した。
 西鉄の担当者は「少量の貨物を通常の配送方法と比べて早く、安く届けられるのが特徴。生産者にとっても販路拡大につながる」と話した。将来的には九州産品を取りまとめて本州都市圏への輸送・販売を目指すとしている。

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