本県6日暴風域へ 特別警報級の勢力維持 台風10号

台風10号に備え、ビニールハウスの防風対策をする農業法人の従業員=4日午前、宮崎市佐土原町

 非常に強い台風10号は4日、日本の南の海上を西寄りに進んだ。今後さらに発達しながら北上し、6~7日に九州へ接近する見通しで、上陸する恐れもある。気象庁によると、本県を含む九州南部は6~7日に住宅が倒れるような猛烈な風となる見通しで、24時間雨量が最大800ミリに達する可能性がある。宮崎地方気象台は「経験のない風雨となる恐れがあり、最大級の警戒が必要」として、早めの避難などを呼び掛けている。
 気象庁によると、台風10号は4日午後9時現在、中心気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル。中心から220キロ以内は風速25メートル以上の暴風域。
 同気象台によると、台風10号は7日、中心気圧930ヘクトパスカル以下、最大風速50メートル以上と、特別警報級の勢力を維持したまま本県に最接近する。東寄りの進路を通ると鹿児島、熊本県に上陸。本県にも特別警報が発令される可能性がある。
 台風が予報円の中心を通った場合、本県は6日午前から強風域、同日午後に暴風域に入る。同日の最大風速は25~29メートル、最大瞬間風速は35~45メートルとなり、7日も暴風が続く見通し。
 6日午後から局所的に猛烈な雨となり、7日午後6時までに予想される24時間雨量は500~800ミリ。800ミリは、8~10月の宮崎市の総雨量(平年値)に匹敵する。東寄りの進路を通ると、台風本体の雨雲がより長時間かかり、さらに雨量は増える恐れがある。
 海上はうねりを伴い猛烈にしけ、6日の波の高さは12メートル。高潮や竜巻などの激しい突風にも注意が必要。
 同気象台の馬場添諭観測予報管理官は「暴風域に入ってからの避難は危険で、早めの行動を」と強調。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水・氾濫などに警戒するよう呼び掛けている。
 県は4日、河野知事を本部長とする県災害対策本部を設置。県教委によると、7日は日南市を除く25市町村の全小中学校と、特別支援学校13校が臨時休校。同市は6日午前に判断する。県立高のうち、全日制の30校が休校や自宅待機を決めた(4日午後3時現在)。
 航空各社では、ソラシドエアが5日の沖縄―宮崎1便の欠航を決定。JR九州は6日、特急、普通列車で始発から終日運休や運転を見合わせる予定。

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