パン、水ない…災害時の必需品 買い出し殺到 長崎県内スーパーや量販店

買い求める客が相次ぎ、品切れ状態となったカップ麺コーナー=長崎市扇町、ジョイフルサン本原店

 台風10号が接近している県内では5日、スーパーや量販店に食料品などを買い求める人が詰め掛け、多くの店で災害時に必要な商品が品切れ状態となった。
 長崎市のジョイフルサン本原店では、水やカップ麺、パン類を買い求める客が相次ぎ、陳列棚から商品がなくなる状態が続いた。2リットル入りの水は、店頭に並べるとすぐに売り切れてしまうため「1家族2本まで」に制限。食料品以外にも電池やガスボンベなどが売り場から消えた。
 ガムテープを買いに来た男性(38)は「どこにも売っていない。避難しようと考えているので、被害がないことを願いたい」。日持ちする食品を探していた50代女性は「昨日から、どこに行っても商品がない。どこまで準備すればいいのか分からず、今回は不安が大きい」と漏らした。
 「ここまでの状況は初めて」と店長の大崎政秀さん(63)は驚く。水やカップ麺、パンは通常の10倍以上の量が売れ「普通の台風とは違う危機感を持っているように思える」と語った。
 台風が最接近する7日は商業施設が相次いで休業を決めた。長崎市のゆめタウン夢彩都とみらい長崎ココウォーク、佐世保市のさせぼ五番街などは臨時休業。各施設とも6日は営業時間を短縮する予定。県美術館は6、7両日を臨時休館とした。
 7日は交通機関も軒並み運行を取りやめる。長崎自動車(長崎バス)と県営バスは、路線バスを含め全路線の運休を決定。台風の状況によっては、8日の運行にも影響が出る可能性もある。

 


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