島原、陸上養殖アワビ死滅被害 加藤農水副大臣が視察

アワビが死滅して空になった水槽の前で、吉本組合長(右端)の説明を聞く加藤副大臣(右から2人目)ら=島原市新田町

 加藤寛治農林水産副大臣(衆院長崎2区)は5日、7月に九州を襲った記録的豪雨の影響で、アワビ約8万4千個が死滅し、総額約1500万円に上る被害を受けた島原市内の陸上養殖施設などを視察した。
 加藤副大臣は、島原漁協(島原市)のアワビ陸上養殖施設2カ所を訪問。このうち、アワビが全滅した同市新田町の第1養殖場では、吉本政信組合長らが「豪雨で大量の雨水が有明海に流れ込み海水の塩分濃度が低下。その淡水化した海水を水槽に取水したことが原因とみられる」などと説明した。
 市役所であった意見交換会では、吉本組合長と古川隆三郎市長が種苗の確保など3項目を要望。今回は被害を免れた第2養殖場(同市洗切町)についての取水環境改善の要望に対し、加藤副大臣は「まず県と相談することが必要。どの制度が適切か、国としても対応したい」と応じた。

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