国内初、産業微生物のゲノム構築を推進する産学連携プロジェクトが発足

産業微生物のゲノム構築を推進する「細菌ゲノムアーキテクトプロジェクト(BGAプロジェクト)」が、東京工業大学と同大学発のベンチャー企業である株式会社Logomixを中心として開始された。このプロジェクトは、特定の生物種のゲノム構築を目指す国内初の産学連携合成生物学プロジェクトで、産業界からは、ヤマト科学株式会社、株式会社電通など計7社が参画。また、テクニカルアドバイザーとして、ニューヨーク大学遺伝システム研究所所長のJef Boeke教授を筆頭に、国内外の微生物研究の第一人者たちも名を連ねる。

ゲノム構築とは、これまでの「ゲノム編集」のように遺伝情報の一部を変更するものではなく、ゼロからゲノムを生成する技術で、これによってさまざまな分野でのイノベーションが飛躍的に進行・拡大すると目されている。ゲノム構築がその中核をなすバイオエコノミー産業は、2030年までにOECD加盟国の全GDPの2.7%(約180兆円)の巨大市場へ成長が見込まれているという。

本プロジェクトでは、その第一弾として、プラスチック、薬、燃料など様々な物質生産に用いられ、産業微生物の代表種の一つとされる大腸菌の人工ゲノム構築に着手する。大腸菌の産業的有用性をさらに高めるべく、これまでにない新しい設計原理に基づいた大腸菌ゲノムを構築し、この人工ゲノムで生育する人工大腸菌株の創出を目指す。

本プロジェクトを通じて、合成生物学産業における新事業シーズの探索、バイオ・非バイオの範疇を超えた様々な産業セクター間での産学連携ネットワークの構築、新バイオ産業創出に貢献する細胞ゲノム構築技術の成熟化など、幅広い進展が期待される。

参考:

【東京工業大学】国内初のゲノム構築グループが発足 第一弾として大腸菌の人工ゲノム構築に着手

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