がん診療の最前線紹介 市民公開講座

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 富大附属病院の市民公開講座「総合がんセンター創設命を守るがん治療~北陸富山から世界へ」は6日、富山市の富山国際会議場で開かれ、林龍二センター長ら教授6人が、がんに関する全診療科を網羅する北陸初の組織として6月に設立したセンターの役割や、各専門部門の最新の診療・治療法を紹介した。

 がんゲノム、膵臓(すいぞう)・胆道、乳がん・乳房再建、小児・AYA世代・妊孕(にんよう)性、ロボット手術、放射線、免疫など、全国的にも珍しい先端治療や研究・開発に取り組む専門部門のトップ教授が講演した。

 林センター長は、センター設立の経緯や概要を解説し、各部門の連携によって、高度で先進的ながん診療を提供できること、病院一丸となって患者の悩みに対応できることが特長だとした。

 日本で唯一となる膵臓・胆道がん専門部門の藤井努第二外科教授は、膵臓や胆道のがんは発見、治療が難しいが、切除が不可能な進行膵がんも、化学療法と放射線治療を組み合わせ、がんを小さくした上で手術すると、5年後の生存率が大幅に上がると話した。「早めに専門施設を受診してほしい」と呼び掛けた。

 小児・AYA世代・妊孕性部門の中島彰俊産科婦人科教授は、子どもや思春期、若者世代のがん患者に対する「家族作り」の支援を行っていると話した。「がんになったからと言って結婚や妊娠を諦めず、希望を繋いでほしい」と話した。

 会場には約140人が訪れた。講演した教授によるパネル討論も行われ、「どうすれば受診できるのか」「子宮のがんになっても、子どもを産める可能性はあるのか」など、参加者から寄せられた質問に答えた。

 講演に先立ち、林篤志病院長が「それぞれ高い専門性を持つ先生が、一つのチームとして全力を尽くしている」とあいさつした。