台風10号 長崎県内4万6000人避難 各地で停電も

スマートフォンで気象情報を確認する避難者=6日午前10時52分、新上五島町役場新魚目支所

 大型で非常に強い台風10号は速度を上げて北上し、長崎地方気象台は6日午後5時までに県内全域に暴風警報を発表した。「台風の特別警報が出る可能性は低い」と見解を示しつつ、暴風や大雨、高潮などに引き続き厳重な警戒を呼び掛けた。本県には7日未明から明け方にかけて最接近する見込み。県によると6日午後8時現在、各自治体が開設した避難所に約4万5900人が避難した。
 同気象台によると、7日午前6時時点の中心気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートルと予報し、特別警報級の勢力を維持したまま本県に接近。予想される最大瞬間風速は海上で60メートル、陸上で45メートル。波の高さは最大10メートルでうねりを伴う恐れがある。7日午後6時までの24時間に予想される降水量は五島と南部・北部でいずれも350ミリ、壱岐・対馬で300ミリに上る。
 県災害対策本部によると6日午後8時現在、佐世保市と五島市と壱岐市は警戒レベル4に当たる「避難指示」を出した。また各自体が設置した計727カ所の避難所に2万3千世帯、4万5932人が避難している。
 九州電力送配電によると、6日午後9時現在、五島市や佐世保市など県内6市で約4970戸が停電した。
 県は6日午前8時現在、台風の接近に備えて9ダムで河川の氾濫を防ぐための事前放流を実施。県教委によると、県内全ての公立小中高校が7日を休校とする。
 JR九州は7日、終日運転を見合わせ、長崎バスも終日全路線を運休。長崎電気軌道の路面電車は午前中の運行を見合わせる。長崎空港は6日午後3時から閉鎖し、7日は全ての発着便が欠航。海の便では、九州商船が本土と離島を結ぶ全てのジェットフォイル、フェリーなどを欠航する。

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