西武バス、都内の路線バスにバイオ燃料を導入し運行を開始

西武バス(埼玉・所沢)は7日、バイオ燃料を使用する路線バスの恒常運行を開始した。東京・練馬区や西東京市を中心に、一部埼玉県内を走行する。都内、埼玉県でバイオ燃料による路線バス運行は初めて。これに伴う値上げは行わず、運賃は据え置く。同社はこれまでもハイブリッドバスの導入やエコドライブの実施など、環境負荷軽減の取り組みを進めている。今回のバイオ燃料導入は当面一部の営業所で運行する2車両に限られるが、同社の担当者は「今後、全営業所の車両に導入を拡大したい」と意欲を見せる。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本 啓一)

西武バスがバイオ燃料を導入したのは、吉祥寺駅や大泉学園駅、田無駅などを発着し、練馬区、西東京市、東久留米市周辺(一部埼玉県内)を運行する車両2台。燃料はユーグレナ社が供給する「ユーグレナバイオディーゼル」を使用し、該当バスにはラッピングが施された。

西武グループは持続可能な社会の実現に向けた取り組みを「サステナビリティアクション」として推進し、温室効果ガスの低減などを打ち出している。鉄道事業なども含め、グループ全体で省エネ車両・設備の導入や再生可能エネルギーの活用を進める中、西武バスではこれまでにハイブリッド方式の車両を導入するなど「環境にやさしく、地域に調和できる公共交通機関として社会に貢献する企業」を目指す。

活用されるバイオディーゼルは軽油に10%のバイオ燃料(ミドリムシ、使用済み食用油由来)を混合した「B10」の燃料。排気ガス中の硫黄酸化物(いわゆる黒煙)の低減効果が期待できるため、地域の生活環境の向上にもつながる。同社の担当者は「走行するバスのラッピングでアピールすることで、環境問題を考えるきっかけにもなれれば。今後は全営業所に対象を拡大したい」と意欲的だ。

今回の路線バスでのバイオ燃料活用は、供給元のユーグレナが進める「GREEN OIL JAPAN」宣言に西武バスが賛同し、実現した。同宣言には現在28の企業や自治体などが参加。今後もバイオ燃料導入が拡大すると見られる。

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