県産スギ間伐材でギター製作へ 平の辻さん工房

©株式会社北日本新聞社

県産スギの間伐材を使ったギターやウクレレの製作に取り組む辻さん(右から2人目)ら

 南砺市下梨(平)の「辻四郎ギター工房」は、県産スギの間伐材を活用したギターやウクレレ作りに取り組んでいる。高岡漆器などに用いられる富山ならではの伝統技術も生かして外国製品との差別化を図り、海外への販路拡大も狙う。7日は製作に協力する県木材研究所や県総合デザインセンターの職員らと打ち合わせを行った。 (湯浅晶子)

 開発を主に手掛けるのは、ギター工房代表の辻四郎さん(74)の長男、隆親さん(46)。「伝説のギター職人」と呼ばれる父の後を継ごうと、南砺市役所を辞め、5年前に弟子入りした。

 隆親さんによると、現在、ギターなどの弦楽器には「マホガニー」や「ローズウッド」といった外国産の木材が多く用いられている。しかし、ワシントン条約の取引規制により、今後は国内での入手が困難になるという。

 県産材を有効活用して代替木材を見つけると同時に、日本らしい自社オリジナルデザインを追求し、市場を海外にも広げようと、開発に乗り出した。事業は県新世紀産業機構の補助事業に採択された。

 まず、ギターより小ぶりなウクレレを製作する。人工的に木目をつくる技術を開発した県木材研究所と連携。軟らかく本来はギターに適さないスギ材を、割れが生じないよう圧縮加工することで、硬度の高い板を使う。県立大工学部の協力を得て、弦楽器の材料に最適なスギ材の密度の研究にも取り組む。

 ヘッド部分には高岡漆器の螺鈿(らでん)細工を施したり、高岡銅器の技術で部品を製作したりして、製品の独自性も高める。7日は3Dプリンターで作った実物大の模型を三つ並べ、全体のバランスや握りやすさの検証などを行った。辻さんは「他にはないオリジナルの品を完成できればいい」と意気込んでいる。