感染回復者から採血へ 抗体採取し医薬品開発に活用 福島医大

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記者会見に臨む竹之下理事長兼学長(中央)。右は亀岡氏、左は高木教授

 新型コロナウイルス感染症の治療や予防に有効な抗体医薬品の開発プロジェクトを進めている福島医大は二〇二〇(令和二)年度中に、新型コロナに対する抗体を採取するため、感染症回復者約百人からの採血を目指す。累計二万人以上の感染者が確認されている東京都を中心に協力を呼び掛ける。

 七日、福島市の同大で記者会見を開き、医薬品開発の進捗(しんちょく)状況などを説明した。人体における新型コロナの抗体の作られ方には未解明な部分が多い。同大は県内の感染症回復者十人程度を含む約四十人の血液を基に解析を進めているが、有効な医薬品の開発にはより多くのデータを蓄積する必要があるという。

 一人当たり約二十ミリリットルを提供してもらう予定で、一般財団法人健康医学協会付属東都クリニック(東京都)の協力を得る。

 同大は製薬大手の第一三共(本社・東京都)と共同で、新型コロナに対抗する人体由来の「中和抗体」を活用した体内投与型、鼻孔噴霧型の医薬品開発のプロジェクトを進めている。

 同大はタンパク質を一枚のガラス板に搭載し、血液と反応させて抗体の働きを解析する技術を持つ。この技術を新型コロナに応用して回復者の血液を反応させ、新型コロナに対する中和抗体やその抗体遺伝子の取得を進めている。抗体医薬品はウイルスの感染を防ぐ能力を持つ中和抗体から作るため、投与後に体内に抗体を作るワクチンとは異なる。より効果的な予防薬や治療薬の開発が期待できるという。

 記者会見では、竹之下誠一同大理事長兼学長、プロジェクトをサポートしている亀岡偉民文部科学副大臣兼内閣府副大臣東京五輪・パラリンピック担当(自民、衆院比例東北)があいさつし、採血への協力を呼び掛けた。同大医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターの高木基樹教授が医薬品開発の現状を説明した。