Netflixが日本ローンチ5周年会見を開催。基本姿勢は“クリエーティブ・ファースト”

2015年に日本でサービスを開始し、最近は独占配信中の韓国ドラマ「愛の不時着」(19年)の大ヒットで注目を集めているNetflixが、日本ローンチ5周年を記念するオンライン記者説明会を開催。今後の日本オリジナル作の制作方針などを発表した。

説明会の冒頭には、Netflix最高執行責任者兼最高プロダクト責任者のグレッグ・ピーターズ氏が、ビデオでメッセージを寄せ、「日本でサービスを開始した15年当時、Netflixはアメリカとカナダを除いて約60カ国、ヨーロッパと南米のみでローンチしていました。それが現在は190カ国以上でサービスを提供し、日本でも500万人以上のメンバーに楽しんでいただいています」と、日本のみならず世界的にも事業が成功していることを喜んだ。

続いて説明会には、日本オリジナル実写作品を統括するコンテンツ・アクイジション部門ディレクターの坂本和隆氏が登壇。「日本にローンチした時は、スタッフは20人でしたが、現在は約100人になりました」と当初を振り返り、「近年は中・長期的にオリジナル作品作りに取り組み、スタジオとして自由な作品作りができるように心がけています。こうして作られた日本オリジナル作品は世界中で見られていて、現在は(実写とアニメを含み)50作以上が配信されています」と、この5年間の成長ぶりを語った。

さらに、「22年末までには15作の実写オリジナル作品を配信予定です」と発表。その中にはアダルトビデオ業界を描いて高い人気と評価を集めた「全裸監督」の続編も含まれている(21年全世界配信予定)ことも明かした。

この日は、「BLEACH」(18年)、「キングダム」(19年)などの大作映画を次々とヒットさせている佐藤信介監督も登場し、坂本氏とトークを展開。佐藤氏は、麻生羽呂氏のサバイバルコミックを、山﨑賢人と土屋太鳳のダブル主演で実写化したNetflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」(今冬配信予定)で監督を務めている。

「世界中で見られることを念頭に置いて、どんな国の人が見ても楽しめる、新しいものを見たという感動を覚える作品を作ることを意識しました」と言う佐藤氏。「Netflixはよくデータを取っていて、作品のテーマもキャスティングもデータを基に決めていくという話を聞いたことがありましたが、実際にはそんなことはなかった。とても自由な気持ちで、面白くすることだけを考えてドラマを作ることができました」と感想を語った。

同作は現在、ポストプロダクションを行なっている段階だが、佐藤氏は「(Netflixの)CG部門の方と話した時、真っ先に予算のことを考えるのではなく、やりたいことを提案してほしいと言われ、驚きました」と話し、その言葉を受け坂本氏は「クリエーティブ・ファーストであることがNetflixの基本です」と応え、世界のクリエーターから支持されている同社の制作姿勢に対する自信をのぞかせた。

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