「そのぎ茶」を海外へ 東彼杵町がプロジェクト 外国人向けオンラインツアーでアピール

オンラインツアーでカメラに向かって茶畑を案内する松本さん(奥)=東彼杵町

 東彼東彼杵町は、「そのぎ茶」の魅力を海外に紹介し、インバウンド獲得や販路拡大を目指す「長崎いけどき茶プロジェクト」に取り組んでいる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、観光業の見通しは依然不透明だが、8月29日に外国人向けのオンラインツアーを初めて実施。「アフターコロナ」の集客を見据えた準備が進む。
 同町では「グリーンティー(緑茶)」と「ツーリズム(観光)」を組み合わせた外国人向けの体験型観光「グリーンティーリズム」が進む。茶農家が案内する茶畑散策やお茶の入れ方教室などが好評だが、日ごろの仕事と並行して受け入れるため、期間やサービスに限りもある。
 観光振興に取り組む町ふるさと交流センターは“ティーリズム先進地”の京都府から、松本靖治さん(46)を招き、新しいツアー企画を依頼。松本さんは長年、日本茶の海外通販や外国人向け観光に取り組んできたが、同町を「素晴らしい景観と、全国的に珍しい玉緑茶という茶種、官民の理想的な協力態勢。今の百倍は有名になれるポテンシャルがある」と絶賛する。
 オンラインツアーは2回実施し、アメリカ、カナダ、オランダ、イギリス、ドイツなどの計110人が参加。ビデオ会議システムでつなぎ、松本さんが茶畑や茶工場などを英語で案内する様子を中継した。参加者からの質問にも答えた。
 オンラインツアーは今後も実施予定で、在日外国人向けのモニターツアーも計画している。町ふるさと交流センターの飯塚将次さんは「コロナ禍の影響はあるが、足踏みしているわけにもいかない。オンラインツアーを将来の集客につなげたい」と話した。

ビデオ会議システムで「そのぎ茶」の魅力を発信したオンラインツアー=東彼杵町

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