肝炎治療助成対象拡大へ B、C型来年度から がん通院者も 厚労省

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B型、C型肝炎ウイルスで肝がんや重度肝硬変を発症した人への国の医療費助成について、厚生労働省は来年4月に適用基準を緩和することを決めた。基準が厳しいことなどを理由に当初見込みの1%未満しか利用されておらず、患者団体などが見直しを求めていた。2021年度予算の概算要求で、関連予算14億円を盛り込む方針だ。

この制度は18年12月、集団予防接種によるB型肝炎ウイルスや薬害によるC型肝炎ウイルスに感染した人の医療費負担を軽減する目的で始まった。肝がんや重度肝硬変の治療で入院した場合、自己負担額が一定額を超えた月が直近の1年間で4回あれば、4回目の月から月1万円を自己負担の上限とする仕組みだ。

基準緩和では、入院の場合は3回目の月から助成するようにする。がん治療については分子標的薬を使った通院も新たに対象とし、同じく3回目の月から助成する。月7200人の利用を見込み、毎月の実績を都道府県ごとに公表することで制度の透明化を図る。

助成制度を巡り、同省は当初から月7200人の利用を見込んでいたが、平均で月60人の利用にとどまっていた。全国B型肝炎訴訟弁護団は、制度が実態に即しておらず、助成を受ける前に患者が亡くなるケースもあるとして、基準の緩和を訴えていた。

同訴訟東京原告団の上大田誠副代表は「基準の見直しは喜ばしいが、まだ課題は残る。今後も制度改善を求める」と話している。 (久知邦)