カンニング竹山“コロナ禍での災害課題”「ホテルを避難所として活用したり、もっと避難の在り方を考える必要がある」

ABEMAが、ニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

■避難所が満員のケースも、大型の台風10号で見えた“コロナ禍での災害課題”

カンニング竹山「ホテルを避難所として活用したり、もっと避難の在り方を考える必要がある」

2020年9月7日(月)夜9時からの放送では、九州各地に大きな爪痕を残した大型の台風10号に注目。避難所が満員になってしまうなど、新型コロナウイルス対策との両立が求められるなかで様々な課題が浮き彫りになった“コロナ禍での災害”について議論した。

今回は、気象庁から早い段階での避難の呼びかけがあったものの、新型コロナウイルス対策の観点から各避難所において受け入れ人数を半数以下にするなどの対応が取られ、それにより満員になる避難所があった。番組MCを務めるお笑い芸人のカンニング竹山は「避難所とか避難の在り方を今後もっと色々考えていかないといけない。例えばホテルを避難所として活用していくのもありかもしれない」と、コロナ禍で求められる柔軟な対応について持論を述べた。

実際に約857万人の方が避難をした結果、満員の避難所が出たことについて、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは、「通常の災害時に、実際に避難される人数というのは全国平均で大体5%ぐらい。今回は気象庁の発表がかなり早く、『過去最大級の台風である』と訴えていたので、避難率はかなり上がっていると思う。そもそも避難所は、あの西日本豪雨の時でさえ避難率は十数%だったので、それらのデータを基にしか設定されていない。そこで政府は、今年の3月ぐらいからコロナの感染対策をした上で、満員にならないようにという指示は各地方自治体に対して出していたが、実際は予算の格差でそういった場所を確保するのが非常に難しい。ホテルや旅館を活用できる部分もあるが、都合よくそういった施設が近くにあるとは限らない。また、地方の自治体は赤字経営のところがほとんどで、災害のための予算はほとんどない。被害に遭った際に、必ず政府から予算が下りるシステムが必要」と問題を指摘した。

また、竹山が「避難所は、防災的に安全な場所を考慮して作られているのか?それとも『備蓄がある』という意味合いなのか?」と質問すると、和田さんは「例えば東京都の下町は、地震の為の避難所と水害の為の避難所が一緒のところにある。大体が海水面より低いようなところにあって、ありえない話だがそのまま続いてしまっている。そして、避難所が本当に安全かどうかは正直言って自治体は配慮してない。やはりそれは自分で判断するしかない」と言及した。

■視力が低下する難病“網膜色素変性症”の大学生「この世の中は全て見える事が前提の社会」

カンニング竹山「みんな自分の知っている世界でしか物事を考えてない、そこを理解しないと共存できない」

また番組では、日本で失明原因の上位となっている進行性の難病「網膜色素変性症」を患い、高校3年の時に全盲となった東京音楽大学に通う坂田優咲さんと、自身も患者であり、アメリカで10年に渡りこの病気の研究に携わった日本網膜色素変性協会の土井健太郎さんをゲストに迎え、物言わぬ障害とも言われる難病に迫った。

視野が狭くなり、視力低下や失明にもつながる進行性の「網膜色素変性症」は、目が感じた光を電気信号に変える網膜の視細胞が徐々に失われる病気で、遺伝的要因から発症するとされているものの、いまだ治療法が確立されていない難病だ。番組MCのカンニング竹山は、「僕も、目が悪かったり全盲の友人が何人かいるが、10年前ぐらいに出会った当時中学3年の全盲の女の子はピアノがものすごく上手くて。その子は結局音楽の道に進んだが、目が見えないのにメールの返信がめちゃくちゃ速くて…。それを、『すごいな』と感心していたのと同時に、『もしかしたら10年後ぐらいには、医療も進んでちょっと見えるかもしれない』という希望も抱いていた」とコメント。さらに、「さっき先生もおっしゃっていたが、なかなか目の医療は進まない。アメリカの映画なんか見ると、サングラスみたいなものをかけて見える設定があったりするのに、なんかもどかしいというか。『この領域の医療は今どうなってるのかな?』とずっと考えていた」と、身近な友人の話を交え、話した。

そして、出演した坂田さんは出生後すぐに重度の夜盲症を患った事を明かし、「夜は黒一色の世界だった。当時は、『人は全員、夜になると音だけで生活している』と思っていた。また、思春期や反抗期があったので、高校2年生までは白杖やライトを持つことなく、耳だけを頼りに夜に出歩いていた」と明かした。さらに、この病気特有の段々視野が狭くなっていく症状について、「徐々に視力が低下していくのでそこまで自覚する事はなかったが、酷い時には、朝起きると『昨日と景色が違うな…』と思う事はあった。夜間は全盲、昼間は健常者みたいな生活をしていたが、昼間も見えないとなると今まで出来ていたものが全て出来なくなるのでとても辛かった」と振り返った。

一方、日本網膜色素変性協会の土井さんは、自身の病状について「私も坂田さんと同じように3歳ぐらいの時に診断された。その頃からだいぶ目が悪かったが、今ではさらに進行して視力が大体0.025。視野も段々狭くなってしまっていて、健常者だと大体180度ぐらいまで見えるのに対して、10度ぐらいまで狭まってしまって、目の前しか見えない状況。今は盲導犬と一緒に暮らしている」と説明。そして、10年に渡り研究を続けた事から、病気の原因として、「遺伝子異常により網膜にある視細胞の働きが弱まり、視力低下・見える範囲が狭くなる症状が起きる。その事でまずは夜盲が起こるが、今のところその科学的な理由は分からない。この病気は100年以上も前に見つかっているが、いまだに治療法は確立されていない」と明かした。

これを受けて、カンニング竹山が「そうなると、100年前にかかった人と、今かかられている人と何も変わってないという事ですか?」と質問すると、土井さんは「病気という意味ではそう言える。ただ、テクノロジーがとても進歩しているので、当然100年前の方よりはよっぽど良い生活が出来ている」と返答した。

その後、坂田さんが病気の当事者として「この世の中は全て“見える事が前提の社会”なので困る事は沢山ある。自分でできる事も沢山あるが、どうしても出来ない事は、最終的には人に助けを求める必要がある」と、もどかしい思いを告白。土井さんも、「私も盲導犬を連れているが、『あなた本当に目が見えないの?』と失礼な事を言われる事がある。傍から見ると、“見えている”ように感じるようだ」と明かし、これを聞いたカンニング竹山は、「目の事だけじゃなくて全ての事に対してそうだが、みんな自分の知っている世界でしか物事を考えてない。そうじゃなくて、個人個人によって状況は違うし、別に目が不自由なだけで人間的には我々と何も変わらない。それをみんながちゃんと理解しないと共存できない」と、訴えた。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

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