事故の悲惨さ語り継ぐ 米軍機墜落事故の慰霊祭 大和

慰霊碑に手を合わせる参列者=大和市上草柳

 神奈川県大和市上草柳で56年前に起きた鉄工所への米軍機墜落事故の慰霊祭が8日、現地で行われ、関係者約25人が参列した。住民らでつくる実行委員会が事故から50年を契機に始め、今年で6回目となった。

 事故は1964年9月8日に発生。約1キロ離れた厚木基地(大和、綾瀬市)から飛び立った米軍戦闘機がエンジン故障で舘野鉄工所付近に墜落し、従業員5人が死亡した。

 慰霊祭では、読経が流れる中、参列者が木製の慰霊碑に手を合わせて焼香し、犠牲者を悼んだ。

 現地は事故後に国有地化されてフェンスで囲まれて管理されており、慰霊祭は許可を得て開催。実行委は自由に参拝できるよう広場としての整備を市に求めて署名活動を続けている。

 実行委の宮応勝幸共同代表(77)は「若い人に事故の悲惨さを知ってもらうためにも、慰霊の場を確保する必要性を訴えていく」と話している。

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