【自民党総裁選】「父ちゃんの背中で学んでほしい」「迫害されても後世で評価されたい」候補者の素顔が見えた討論会

自民党青年局と女性局が主催した「自民党総裁選 3候補者公開討論会」が9日、千代田区永田町の自民党本部で開かれました。討論会は、地方の女性局や青年局、学生部のメンバーとテレビ会議システムでつないだ初のオンライン形式で行われ、総裁候補者の石破茂氏、菅義偉氏、岸田文雄氏の3人が、全国から寄せられた質問に答えました。

自民党本部で開かれた総裁選候補者討論会

全国から集まった質問は、代表質問の4つ以外は事前に候補者に知らせずに各質問者がオンラインで行い、憲法改正や経済政策、女性活躍などの定番のものから、「奥様はどんな方?感謝の言葉を添えて答えて」などユニークな質問も飛び出し、それぞれの候補者の対応力が問われる場となりました。

「歴史上の人物に自分を例えると?」との質問に石破氏は、鳴かぬなら殺してしまえでも、鳴くまで待とうでも、鳴かせて見せようでもなく、「明智光秀は『鳴かぬなら、逃がしてやろうホトトギス』と言ったそう。明智光秀や石田光成は、後に徹底的な悪役に仕立て上げられたが、歴史で重要な役割を果たすのはそうした人間。迫害されても、次の時代で評価される。そうした人間でありたい」と熱弁。

行政のオンライン化についての質問で菅氏は、「コロナ禍で、いろいろなところでデジタル化が遅れていることが顕わになった。政府の中で統一して、デジタル化を推進する『デジタル庁』を作りたい」と、行政や党内のシステムについてのデジタル化への意欲を示しました。

「親として子どもに伝えたいことは?」との質問に、岸田氏は3人の息子に対して、「一緒にいられる時間が少なかったにもかかわらず、元気で成人してくれたことには感謝したい。言葉ではなく背中で人間の生きる道を伝えたい。自分の道をしっかり選んで、それぞれが悔いのない人生を歩んでもらいたい」と答え、父親としての素顔が垣間見られました。

小林史明青年局長は、討論会終了後に記者の質問に応じ、「総裁候補に地方の声を聴いてもらう時間を多く取れ、例年の3倍以上の質疑応答が実現できた。今回、党全体でオンラインの恩恵を受けられたことで、今後総裁選の投票も含むデジタル化の議論も進みやすくなるのでは」と手ごたえを感じていました。

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