<金口木舌>看板の継承は?

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 カラン、コロン、カラン、コロンと、げたで歩く音がする。幽霊になった女が思った男の家に通う、おなじみの怪談「牡丹灯籠」の1シーン。昔から夏になるとよく聞いた▼「四谷怪談」「番町皿屋敷」と並んで有名だが、これが落語家の創作と知ったのは随分後になってから。明治から幕末に活躍した三遊亭円朝が中国の小説を基に作った。怪談話のほか人情話など多くの創作で名を残した

▼落語中興の祖とされ、三遊派の一枚看板として今も円朝の名は語り継がれる。ではこちらの「看板」はどうなるだろう。日本の看板として次の首相が決まる自民党総裁選が始まった

▼所見演説会で石破茂元幹事長はグレートリセットを掲げ、菅義偉官房長官は現場の声に耳を傾けると言い、岸田文雄政調会長は聞く力を政治のエネルギーにと訴えた。ただ派閥の支持の行方から、後継が誰になりそうか予想は確定的ではある

▼党の演説会や記者会見、討論会では米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設や日米地位協定への言及はなかった。ただ、これまでの閣僚経験などを振り返れば、3候補者とも辺野古移設を推進してきた立場だったのはご存じの通り

▼「円朝」はその名の大きさゆえか、現在継いでいる落語家はいない。次の政権が、沖縄の「基地負担軽減」という偽りの看板を掲げた安倍一強政治を継ぐのかどうか、県民は見ている。