握手、演説会できず異例の戦い いわき市議選13日投開票

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感染防止対策を徹底している期日前投票所

 いわき市議選の投開票が十三日に迫り、各候補者は新型コロナウイルスの感染防止に神経をとがらせながら選挙戦を展開している。感染が拡大した四月以降の市町村議選では初の実戦で、各陣営は集会を取りやめたり、オンライン演説を取り入れたり手探りで臨む。市選管委は投票所での感染防止を徹底して不安払拭(ふっしょく)に努めるなど、有権者の関心を高めるのに苦心している。

 市議選は六日に告示され、定数三七に対して現職二十九人、元職二人、新人十人の計四十一人が立候補している。

 知名度アップを図りたい各候補者は、人との接触を極力減らしつつも広く支持を訴えるという異例の戦い方に四苦八苦する。

 ある候補者は多数の支持者を屋内に動員する個人演説会の開催を各地で計画していたが、すべて中止した。その代わりに街頭演説の回数を一日当たり一~二回から十数回に増やした。その際は自分の顔が見えるように、マスクではなく、フェースシールドを着用する。周囲の安全を確認した上で何も着けない時もあるが、「十分に浸透できるか不安だ」と打ち明ける。

 別の候補者は、求められた時以外は有権者との握手をしない。できるだけ相手との距離も一定程度保つようにしている。「触れ合いが持てないと、気持ちが通じているか実感できない。でも、近づくと逆効果になる恐れもある」と説明した。

 インターネットを活用した戦術を取り入れる陣営もある。動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」で演説を配信し、公約などを訴えた。事前に会員制交流サイト(SNS)で周知したところ、約百人が視聴したという。

 大勢の人が出入りする各選挙事務所は通常以上の緊迫感に包まれている。一人でも感染した場合、多くのスタッフが濃厚接触者になりかねず、その後の選挙運動が立ち行かなくなる危険性がある。

 ある事務所では入室者に検温や消毒を求めている。飛まつ防止のアクリルパネルを設置し、椅子や机などの間隔を広く配置した。「感染者は絶対に出せない」。関係者は言葉に力を込めた。