見知らぬ人からの「ブス」が、私を卑屈にした。“呪縛”を乗り越える転機を描いた漫画に反響

©ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社

高校時代、見知らぬ人から容姿への暴言を受け、自信を失った女性。それ以来他人からの褒め言葉を素直に受け止められなくなったが、あることがきっかけで、褒めてくれる人に「ありがとう」と伝えるようにしたーー。

イラストレーターの女性が、自身の体験を基に描いた漫画が、SNSで反響を呼んでいる。漫画をTwitterで投稿したところ、2日間で3万件以上の「いいね」がついた。

褒め言葉を喜べるようになって、「幸せが増えて負の感情から解放された」と語る女性。漫画で自身の実体験を伝えようと思ったきっかけは?作者に聞いてみた。

■一つの暴言で打ち砕かれた自信

作者は、イラストレーターのありまさん。

高校1年の頃、見知らぬ中年男性に「ブス」と言われ、自信を失ったという。

相手の立場になってみた

褒め言葉を全力で否定し、素直に喜べなかったありまさん。

ある時、ふと「褒められたときに全力で否定されると、相手はしんどくなるのでは」と考え直した。

ある出来事が転機になった。

ありまさんが尊敬するクリエイターに「大好きです」と伝えた時、相手から「いやいや...自分なんか...〇〇も▽▽もダメだし、全然だよ...」と言われ、衝撃を受けたという。

「『こんなに素敵なのに、どうして?お世辞じゃないのに』という気持ちと、『自分の愛が届かなかった悲しさ』を感じました。この体験をきっかけに、褒め言葉を全力で否定するという同じ行為を自分もしていること、それによって相手を悲しませているかもしれないということに気づきました」(ありまさん)

■ネガティブな自分からの「卒業」

なぜ、実体験を漫画にしようと決めたのか?

ありまさんによると、フォロワーからのDMが背中を押したという。

「自分の作品を好きだと思っていただけたことに、何年もたった今やっと気づいて、『今までどのくらいの人の好きに気がつけなかったのだろう』と悲しく、申し訳なく思いました」

「もう他人からの褒め言葉を受け入れられないような、ネガティブな自分を卒業したい。そんな自分への決意表明として描きました」

■「わかりみが深い」と共感の渦

漫画はネットで瞬く間に拡散。

「わかりみが深い」「これ私だ」「言葉の呪縛に苦しめられたくない」など共感が広がっている。

ありまさんは反響について、「私と同じような体験をされた方がこんなにたくさんいることにびっくりしました。漫画を通して、『これからは褒め言葉を受け止めようと思う』と言ってくださる方もいて、うれしかったです」と語る。

「私の場合は見ず知らずの人からの暴言でしたが、『親がそうだった、逃げ場がなかった』という方もたくさんいて、私自身、親として身が引き締まる思いがしました」

■「ありがとう」で幸せが増えた

褒め言葉を喜べるようになって、ありまさんは「気持ちが楽になり、幸せも増えたように思います」と話す。「負の感情から解放された、という気持ちが強いです」

「褒め言葉を拒絶していたときは、自分のダメな理由を何個も探して『私はこんなにダメなやつなんだから、褒められても喜んじゃダメだ』と一人で勝手に傷ついていました。自分が自分のアンチになっていたというか...」

「褒め言葉を素直に受け止められるようになってからは、『褒められた!』という純度100%の嬉しい気持ちしか感じられなくなったので、とても平和です」

他人からの心ない暴言に傷ついた人。自信を失くし、褒められても卑屈になってしまう人。褒め言葉に対して「感謝を伝えられるようになりたい」と願う人...。

ありまさんの漫画は、そんなあなたに向けられたエールだ。

自分を一番苦しめているのは、実は自分かも?

漫画は、一度立ち止まってそう問いかけ、自らの「呪縛」から自分を解き放つことも大事だと教えてくれる。