IMSA:全12戦の2021年暫定カレンダー発表。LMP3を新設、5クラス混走へ

 9月9日、IMSAはウェザーテック・スポーツカー選手権の2021年暫定カレンダーを公表した。また合わせてLMP3クラスを同選手権に新設することも正式に発表されている。

 2021年の暫定カレンダーは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける前に予定されていた2020年カレンダーを踏襲している。

 シーズンは1月、伝統のデイトナ24時間レースで開幕。これに先立つ公式テストの“ロア・ビフォア・ザ・ロレックス”は例年の年明け1週目ではなく、レース直前週に開催される。

 2020年は最終戦として行なわれるセブリング12時間レースは、伝統的な3月開催へと戻っている。

 新型コロナウイルスの影響により2020年の開催が見送られたロングビーチ、デトロイト(ベル・アイル)、ワトキンス・グレン、カナディアンタイヤ・モータースポーツパーク(CTMP)、そしてライムロック戦もカレンダーに復帰している。

 デトロイトとCTMPにおけるGTDクラスでは、ウェザーテック・スプリントカップのポイントのみが獲得できる。

 長距離耐久レースとなるデイトナ24時間、セブリング12時間、ワトキンス・グレン6時間、そしてプチ・ル・マン(ロードアトランタ)10時間では、5つのクラスすべてで“ミシュラン・エンデュランス・カップ”のタイトルをかけて争われる。

 開催カレンダーと、それぞれのイベントに参戦するクラスは以下のとおり。

■2021年 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権 暫定カレンダー

Rd. Date Event(Circuit) Class

Test 1月22~24日 ロア・ビフォア・ザ・ロレックス DPi, LMP2, LMP3, GTLM, GTD

1 1月28~31日 デイトナ24時間 DPi, LMP2, LMP3, GTLM, GTD

2 3月17〜20日 セブリング12時間 DPi, LMP2, LMP3, GTLM, GTD

3 4月16〜17日 ロングビーチ DPi, GTLM, GTD

4 4月23〜25日 ラグナセカ DPi, LMP2, GTLM, GTD

5 5月14〜16日 ミド・オハイオ DPi, LMP3, GTD

6 TBA デトロイト(ベル・アイル) DPi, LMP2, GTD

7 6月24〜27日 ワトキンス・グレン6時間 DPi, LMP2, LMP3, GTLM, GTD

8 7月2〜4日 CTMP DPi, LMP3, GTLM, GTD

9 7月16〜17日 ライムロック・パーク GTLM, GTD

10 8月6〜8日 ロード・アメリカ DPi, LMP2, LMP3, GTLM, GTD

11 8月20〜22日 バージニア GTLM, GTD

12 10月6〜9日 プチ・ル・マン DPi, LMP2, LMP3, GTLM, GTD

 また、カレンダーにもあるように、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では、2021年シーズンより新たにLMP3クラスを追加し、最大5クラスのマシンが混走することとなった。2021年は6つのイベントでLMP3クラスのエントリーを認めることとなっている。

■LMP3における“ステップアップ”もサポート

 これまでLMP3マシンは下位カテゴリーとなる“IMSAプロトタイプ・チャレンジ”シリーズでレースを戦ってきたが、プロトタイプのエントリーを強化するための取り組みとして、最高峰シリーズへのLMP3クラス参入を、IMSAは検討してきていた。

 LMP3クラスにおけるドライバーの組み合わせについては、現在ふたつのオプションが検討中だ。すなわちブロンズドライバーひとりを必須としてシルバーまたはゴールドのドライバーと組むか、あるいは25歳以上のシルバー/ゴールドドライバーが25歳未満のブロンズ/シルバードライバーと組むか、である。

 LMP3クラスには、プラチナにカテゴライズされるドライバーは参戦できない。

 新世代のLMP3カーはウェザーテック選手権の対象となり、新規格のマシンと旧規格のマシンがともに走ることになる。

 リジェ・オートモティブ、ジネッタ、デュケイン・オートモティブ(旧ノルマ)、およびアデスは、LMP3マシンをアップデートされたレギュレーションに合わせて製造するライセンスをACOから取得しているが、現在のところヨーロッパではリジェJS P320とデュケインD08のみがレースに参戦している。

IMSAプロトタイプ・チャレンジにおけるLMP3マシン(ノルマM30・ニッサン)

 また、これまでLMP3マシンで争われてきたプロトタイプ・チャレンジは、2021年は6レースのカレンダーを維持し、すべてのイベントで1時間45分のレースとして争われることになった。

 IMSAプロトタイプ・チャレンジのLMP3ドライバーチャンピオンには、2022年のウェザーテック選手権のエントリーフィーとして活用できる10万ドルのIMSAクレジットが付与される。共同チャンピオンがいる場合には、ふたりのドライバーに等しく配分されるという。

 一方ウェザーテック選手権におけるLMP2クラスでは、2021年より、デイトナ24時間をのぞいた6レースで、プラチナにカテゴライズされるドライバーもエントリーできることになった。

 これまでプラチナドライバーは、4人目のドライバーとしてデイトナ24時間のみに参戦できた。

 ただし、ブロンズドライバーの登録がシーズンを通して必須であることに変わりはない。ブロンズのLMP2チャンピオンは“ジム・トゥルーマン・アワード”を獲得し、2022年のル・マン24時間への参戦が招待されることになる。

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