イチローと右中間コンビを形成したキャメロンの息子がメジャー昇格

マイク・キャメロンがマリナーズの中堅手としてコメリカ・パークで守備に就いてから20年の年月が経過し、同球場にキャメロンという名の外野手が戻ってきた。マイクの息子であるダズ・キャメロン(タイガース)は日本時間9月10日にメジャー昇格を果たし、ブリュワーズ戦に「7番・ライト」でメジャーデビュー。23歳の有望株のメジャーリーガーとしてのキャリアがいよいよスタートした。

マイク・キャメロンの名を「イチローの相方」として覚えている野球ファンも多いだろう。マイクはケン・グリフィーJr.がレッズへ移籍した際の交換要員の1人として2000年にマリナーズへ加入し、フリーエージェントとなってメッツへ移籍するまで4年間マリナーズで正中堅手として活躍。2001~03年にはイチローと右中間コンビを形成し、2001年と2003年はゴールドグラブ賞を受賞した(パドレス移籍後の2006年にも受賞)。

その血を引くダズは、俊足好守、パンチ力、粗い打撃と非常に父に似たタイプの選手である。2015年のドラフトで全体37位指名を受けてアストロズに入団し、2017年8月末にジャスティン・バーランダーの交換要員の1人としてタイガースへ移籍。昨季はAAA級で120試合に出場して打率.214、13本塁打、43打点、17盗塁、152三振、OPS.707をマークした。大物選手とのトレードで移籍した点も父と共通している。

メジャー昇格の知らせを聞いたとき、ダズは「信じられなかった」と大喜びし、父に電話で報告したという。マイナーキャンプ地のトレドのコーチ陣がロン・ガーデンハイアー監督にダズの順調な成長ぶりを伝え、それを聞いた指揮官はダズのメジャー昇格を決断。「私は彼ら(マイナーのコーチ陣)を信頼している。彼らは一生懸命に選手たちを育ててくれているんだ。今回はダズが昇格する番になった。彼が何を学んできたかを見るのが楽しみだね」とマイナーへのコーチ陣への信頼とダズへの期待を口にした。

ブリュワーズでマイクの同僚だったクレイグ・カウンセル(ブリュワーズ監督)は、当時小学生だったダズが球場のセンター付近を走り回る様子を見て「何か特別な才能を持っている」と感じたという。「マイクは喜んでいるだろうね。父親にとってこんなに嬉しいことはないよ」とかつての同僚の気持ちを代弁した。

デビュー戦は3打数ノーヒットに終わり、チームはカウンセル率いるブリュワーズに0対19で大敗。ダズのデビュー戦はほろ苦いものとなってしまったが、ゴールドグラブ賞3度、オールスター・ゲーム選出1度、1700安打、278本塁打、297盗塁など輝かしい実績を残した偉大な父にどこまで近づけるか楽しみだ。

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