大分県高校野球選手権 狙い通り6試合戦い、基盤を作った明豊

第138回県高校野球選手権

決勝  5-6津久見

準決勝 9-0藤蔭

1回戦 2-1大分工業

同 支部予選

16-4別府翔青

4-2杵築

11-0国東

 

 優勝こそ逃したが支部予選から6試合でチームの基盤ができたのは間違いない。第138回県高校野球選手権では準優勝。経験を積み、秋季九州地区大会県予選のシード権を獲得した。川崎絢平監督は「(甲子園)交流試合から帰ってきて急ピッチで新チームをつくった。公式戦でしか経験できないプレッシャーのかかる場面で自分たちにできること、できないことが明確になったのは収穫。この課題を練習や練習試合で一つずつ修正できる」と振り返った。

 

 新チームは甲子園交流戦を経験したキャプテンの幸修也(2年)とエース候補の太田虎次朗(2年)を核としてスタート。幸は「大きな一発を打てるバッターがいないので泥臭くつないでいくしかない。先輩たちに比べで個人の能力が高くないことは自覚している」と話すように、明豊の代名詞だった「強打」を継承しながらもエンドランなど足を絡めた攻撃を駆使。全6試合で計47得点と打ち勝っている。川崎監督は「今年のチームは主軸がいない。四番でもバントをするし、ザ・四番ではなく四番目の打者というイメージ。打順はこれからも変わるだろうし、試行錯誤しながら考えたい」と、緊張感のある公式戦を繰り返しながら秋の大会を乗り切ろうと考えている。

 

チームをまとめるキャプテンの幸修也

 一方、投手陣は充実している。左の太田と右の京本真の二本柱を擁し、永見星直、財原光優と2年生投手が打線を支える。「計算できる選手がいる。今大会はピッチャーがそれなりに投げてくれた。今のままでは九州では通用しない可能性はあるが、試合勘が戻っているし順調」(川崎監督)と先を見据えている。

 

 投打ともに余白は多く、成長が見込める。「コロナの影響で春に試合をできなかったことが響いているが、体の動きと思考の部分がかみ合い出した。秋の大会も多くの試合をして、経験を積ませるためにも勝たなければいけない」と強化と育成の両車輪をフル稼働して秋季九州地区予選に臨む。

 

甲子園を経験した太田虎次朗

 

(柚野真也)

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