低迷していた安倍政権と自民党の支持率、低迷からなぜ「反転」上昇? 出そろった各社世論調査、「異例の結果」を比べてみた

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安倍晋三首相の辞任後を受けて行われた、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の大手3紙と共同通信の世論調査が出そろった。いずれも自民党支持率が前回調査から10ポイント上昇。第2次安倍政権の実績について尋ねた朝日、読売、共同の調査では「評価する」という回答がいずれも70%を超えた。世論に影響を与えたのは何か。

大手紙の世論調査での「異例」な支持率上昇、なぜ?(自民党総裁選の共同記者会見に臨む3候補、2020年9月8日)

安倍氏が2020年8月28日に辞任表明した後、共同(1回目)が8月29日と30日、朝日が9月2日と3日、読売が9月4~6日、毎日が9月8日に、それぞれ世論調査を実施した。共同は自民党総裁選の顔ぶれが固まった9月8日と9日にも2回目の世論調査を行っている。

7年8カ月の評価、3社とも「評価する」が70%台

このうち、内閣支持率を調べた共同(1回目)、読売、毎日の調査では共同が支持率56.9%(前回調査の8月22、23日から20.9ポイント増)、読売52%(前回調査の8月7~9日から15ポイント増)、毎日50%(前回調査の8月22日から16ポイント増)と、いずれも不支持率(共同34.9%、読売38%、毎日42%)を上回った。

第2次安倍政権の7年8カ月の実績に対する評価を尋ねたのは共同(1回目)、朝日、読売。共同の調査では「評価する」が21.2%、「ある程度評価する」が50.1%で計71.3%。朝日では「大いに評価する」が17%、「ある程度評価する」が54%で計71%。読売は「大いに評価する」が19%、「多少は評価する」が55%で計74%だった。

政党支持率については4社とも尋ね、自民党を支持すると回答した人は共同(1回目)が45.8%(前回調査から12.9ポイント増)、朝日が40%(同10ポイント増)、読売が41%(同8ポイント増)、毎日が39%(同10ポイント増)となった。逆に野党各党はおおむね支持率を下げている。

4社の調査はいずれもコンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に電話をかけるRDD方式だ。共同、朝日、読売は調査員が電話で対象者から聞き取り、毎日では携帯電話はショートメール、固定電話は自動音声にプッシュ番号で回答する方式だった。

有効回答数は共同(1回目)が固定電話で528人、携帯電話で522人の計1050人、朝日が固定から534人、携帯から596人の計1130人。読売が固定から535人、携帯から543人の計1078人。毎日は固定から301人、携帯から730人の計1031人。

安倍氏への「ねぎらい」表れた? 野党は「ほとんど認識されず」...

安倍内閣の支持率は20年に入ってから、新型コロナウイルス対策などへの批判が高まり、不支持率が支持率を上回っていたが、安倍氏の辞任表明後にそれが逆転。所属政党の支持率と合わせて、政権末期には支持率が下がる傾向が多いが、4社の調査では異例と言える結果となった。なぜなのか。世論調査に詳しい埼玉大の松本正生教授(政治意識論)は、

と前置きした上で、政党支持率の変化に注目する。

9月14日の自民党総裁選後、同じ週には新内閣が発足する見込みだが、新政権・自民党がそのまま当初の高い支持率を保てるとは限らないという。

識者「メディアの報道の中立化がプラスに」

前田幸男・東大教授(政治学)も、安倍氏の病気を理由に辞任表明したことで、国民の「同情」を集めた可能性を指摘する。その上で、メディアの報道・論調が安倍政権の負の側面ではなく、政権の功罪を総括するムードに入ったことが影響しているとみる。

前田教授もやはり、これは短期的な現象だとみている。