デスク日誌(9/11):福興市

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 8月下旬、宮城県南三陸町の南三陸さんさん商店街に立ち寄った。そこで2人の男性と再会した。1人は鮮魚店、もう1人はかまぼこ店を出していて、軒先でホタテを焼いていたり、タコを揚げたりしていた。

 「お久しぶりです」と声を掛けた。ほぼ9年ぶりなので覚えてくれているかどうか不安だった。「あのときの!」と笑顔を見せてくれてほっとした。

 2011年4月18日、南三陸町志津川中の教室であった第1回「福興市」の実行委員会を取材した。2人は主要メンバー。29、30日の開催まで時間はない。津波に全てを流され、売り物は塩蔵ワカメと農産物ぐらい。それでも「いつまでも下を見ていられるか」という気迫に満ちていた。

 福興市は回を重ねた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため来年に延期されたが、100回目が控える。「すごい」としか、言いようがない。

 「それではまた」と2人にあいさつし、さっき買ったホタテの串焼きを食べようと思ったら、一緒に行った家人が平らげていた。「あまりにうまくて」。うーむ。また、さんさん商店街に行こう。 (報道部担当部長 山野公寛)