児相の新設を検討 虐待の相談増加受け黒岩知事

神奈川県庁

 神奈川県議会第3回定例会は10日、本会議を開き、自民党の杉本透(足柄上)、立憲民主党・民権クラブの斉藤尊巳(川崎市高津区)の2氏が代表質問に立った。

 児童虐待を巡る相談が増加していることを受け、黒岩祐治知事は、虐待件数の増加に伴い職員数が119人と大規模化している中央児童相談所(藤沢市)について、建物内に新たな児相の設置を検討していると明らかにした。

 県内で児相を設置しているのは、県所管5カ所(中央、平塚、鎌倉三浦地域、小田原、厚木)と横浜、川崎、相模原の3政令市、そして横須賀市。県の中央児相は藤沢、茅ケ崎、大和3市と寒川町を所管しており、虐待相談は年間2千件以上に達している。

 黒岩知事は「これ以上、組織が大規模化しないよう早期に対応することが喫緊の課題」と強調。増設に伴い中央児相の所管区域を見直すなどの検討を始めることで「迅速かつ的確に事案に対応できる運営体制を確保する」と説明した。

 民間活力の導入などで児相の体制強化を目指すため、10月から庁内にプロジェクトチームを設置することも明らかにした。

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