インフル予防接種費、高齢者らは無償化 県が方針

神奈川県庁

 今冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、黒岩祐治知事は10日、65歳以上や60~64歳で重篤な基礎疾患がある県民、約230万人のインフルエンザ予防接種費を無償にする方針を明らかにした。重症化リスクのある高齢者の接種を優先させることで、同時流行による医療現場の負担を軽減する狙い。

 県は予防接種の事業主体である市町村に財政支援を行うことにしており、自治体と連携して高齢者の予防接種を促すことでインフルエンザ患者数の抑制を図る。県は事業費を精査した上で、開会中の県議会第3回定例会で事業費を盛り込んだ2020年度一般会計補正予算案を追加提出する予定。

 初期症状が似ているインフルエンザと新型コロナは今年、同時期に流行することも予想され、地域医療機関の負担増や病床不足に陥る事態が懸念されている。黒岩知事は「かつてない事態も想定して対策を進め、『神奈川モデル』の医療提供体制の維持に努める」と答弁した。

 同日開かれた県議会本会議で、自民党の杉本透氏(足柄上)の代表質問に答えた。

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