DeNA蝦名のプロ1号にラミレス監督驚愕 将来の4番候補・細川との若手バトルが加熱

©株式会社Creative2

DeNA・細川成也【写真:荒川祐史】

オースティンの欠場で、ラミレス監督は高卒4年目・細川と大卒1年目・蝦名に期待

DeNAの若手大砲候補がサバイバルを繰り広げている。現在、チーム打率12球団トップと強力打線を誇るDeNAだが、オースティンとロペスの両外国人選手が故障や不振でスタメンから外れ、開幕当初のベストメンバーとされたオーダーからは程遠い状態になっている。そんな状況の中で、ラミレス監督が期待をかけるのが、高卒4年目の細川成也と大卒1年目の蝦名達夫だ。

ドラフト6位ルーキーの蝦名は、開幕1軍入りを果たしたが、出場したのは代打での1打席のみと結果を残せず、すぐに2軍落ちとなった。その後はファームで外野の一角として徐々に出場を増やし、23試合に出場して打率.333、6本塁打、16打点と結果を残し、9月8日に1軍登録された。

一方の細川は、高卒1年目から1軍昇格を果たし、デビュー戦で2本塁打を放つなど、将来の4番候補として大きな期待を受けた。2年目は11試合、3年目は36試合と一軍出場を徐々に増やしているが、本塁打は1本ずつと持ち味を発揮できていない。今季は開幕からファームの4番打者として38試合に出場し、打率.289、6本塁打、26打点を記録している。

細川は蝦名よりひと足先となる8月26日に1軍登録され、27日には「6番・右翼」で先発出場した。昇格の際にラミレス監督は「必ずこのチームの4番になれるポテンシャルを持っているということは前から言っているし、現状でもどのチームに行ってもレギュラーを取れる力がある」と高い評価を示し、1軍昇格が遅れた理由を「今季はそのポテンシャルの1つ1つがうまく噛み合っていなかった。その1つ1つを向上させることが1軍定着のカギになる」と説明した。この試合で細川は安打を放つなど、3打席で2度出塁し、盗塁も決め、「守備もソツなくこなしてくれたし、すごくよくやってくれた」と指揮官も合格点を与えた。しかしその後は6試合、右翼のポジションでスタメン起用が続き、4試合で安打を放ったが、持ち味である長打はほとんどなく、打率は2割台前半とアピールに欠けた。

蝦名のプロ初本塁打にラミレス監督驚愕「バックスクリーンに飛ぶなんて」

その細川に代わって、1軍に昇格して「8番・右翼」で即スタメン起用されたのが蝦名だった。ラミレス監督は「2軍でいい成績を残していたので昇格させた。将来的には、今2軍で出している数字を1軍で出せるはず。リラックスして、彼の持っているものを出してもらいたい」と期待したが、試合では2打席連続三振で途中交代となった。

そして2位攻防戦の3戦目となった9月10日の阪神戦、スタメンには「2番・右翼」で細川の名前があった。ラミレス監督は「ひとつだけ確かなことは、今日は2番の前に走者が出てもバントはまずない」と明言し、プロ初登板となる相手先発の齋藤に対して「ストレートが多くなるはずなので、それをしっかりとらえて今季の第1号ホームランが出ればと思う」と予言めいた言葉を残した。

ラミレス監督のこの手の予言は当たること多いが、この日の細川は第1打席が三振、2打席目は安打を放ったが、4回の第3打席も一打同点のチャンスに三振に倒れた。ところがこの回、予言は少しばかり形を変えて的中することになる。4回5失点と不調だった先発ピープルズの代打で登場した蝦名が、プロ初本塁打を放った。指揮官が「プロに入って初めてのヒットがホームラン。しかもバックスクリーンに飛ぶなんて」と言うほどのインパクト十分の一発だった。次の回の右翼のポジションには、チャンスで凡退した細川に代わって蝦名が入っていた。蝦名は次の打席でも先頭打者として四球で出塁して得点も記録し、指揮官を「前の試合ではナーバスになっていたようだが、今日はよくやってくれた」と喜ばせた。

ラミレス監督は、細川が1軍昇格した際に「どれだけいいポテンシャルを持っていても、迷いがあるとうまくいかない。誰よりもいいポテンシャルを持っているので、とにかく自信を持つことが大事」と評価した。これは細川だけでなく、おそらく蝦名にも当てはまるはずだ。DeNAの輝く未来のために。オースティンの欠場が続く外野の一角を巡って繰り広げられる、将来の大砲候補の動向から目が離せない。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)