子どものネット依存、半数が2年後も継続…弘前大研究チーム

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児童生徒のインターネット依存状態が2年間維持される確率

弘前大学は2020年9月7日、子どものインターネット依存状態の変化と、状態変化に関わる発達特性の関与を明らかにしたことを公表。研究では、子どものインターネット依存の半数が、2年後も依存の状態が継続されていることがわかった。

弘前大学医学部心理支援科学科の高橋芳雄准教授と足立匡基准教授(医学研究科附属子どものこころの発達研究センター兼任)は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の廣田智也氏(医学研究科神経精神医学講座客員研究員)との共同研究により、子どものインターネット依存状態の推移とその推移のパターンと状態の変化に関わる神経発達障害特性の関与について明らかにした。

近年、ICT機器の普及に伴い、子どものインターネット依存に対する注目が集まっているが、インターネット依存の状態が長期的にみてどのように変化するのかについてはあまり知られていない。研究では、弘前市の小学4年生から中学1年生の児童生徒5,483人を対象にインターネット依存の状態が2年間でどのように変化するかを調べた。さらに、神経発達障害と関連した特性がインターネット依存の状態の長期的な変化に対してどのように影響するかについても調べた。

調査の結果、調査開始時点でインターネット依存の状態の子どもが、その後2年間インターネット依存の状態が維持される確率は47%と約半数にのぼることが判明。加えて、高学年の方がインターネット依存の状態が比較的維持されやすいことも明らかになった。また、調査開始時点でインターネット依存でなかった子どもが、調査期間内にインターネット依存の状態になる確率は11%程度であることもわかった。

また、インターネット依存状態の推移と発達障害特性の関連を調べた結果、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)と関連した特性、その中でも特に不注意特性がインターネット依存状態の維持や調査期間内での新たな発生に関連していることも明らかになっている。これらの知見は、インターネット依存問題を持つ子どもの発達特性を評価することの重要性を示唆しており、発達特性に関連した困難にアプローチすることが子どものインターネット依存を改善したり、その発生を予防したりすることに役立つ可能性がある。

同研究は、医学研究科附属子どものこころの発達研究センターと弘前市教育委員会が、子どもの心の健康に関する調査事業の一環として毎年実施している。今後も調査を続け、子どもの心の問題の発生メカニズムを明らかにし、心の問題を予防するための仕組み作りの開発に貢献していくという。

田中志実