FIA-F2:佐藤万璃音、モンツァ戦はトラブルに泣く。「信じがたい不運でした」

 2019年、ユーロフォーミュラ・オープンで日本人として17年ぶりにチャンピオンに輝き、2020年はF1直下のFIA-F2にトライデント・レーシングから参戦している佐藤万璃音。9月4〜6日にイタリアのモンツァで行われた第8ラウンドでは、マシントラブルに悩まされた。

 神奈川県横浜市出身の佐藤万璃音は、長年ヨーロッパでステップアップを果たしており、多くのF1を狙うライバルたちと切磋琢磨してきた。2019年、激戦のユーロフォーミュラ・オープンでチャンピオンを獲得すると、それを手土産に、いよいよ多くのF1ドライバーが通ってきたFIA-F2参戦を果たした。

 ここまでかみ合わない戦いを強いられてきた万璃音が迎えた第8ラウンドの舞台は、超高速のモンツァ。ローダウンフォースのマシンをいかに仕上げるかが勝負だったが、金曜日のフリー走行からマシンのバランスがうまくまとまらず、アンダーステアの不調を訴える。予選までの短い時間でエンジニアとセットアップ変更を議論し、データ解析を続けることになった。

 午後5時からの予選は気温28℃、路面温度38℃という暑いコンディションのなかで行われ、1回目のアタックでは22番手と伸び悩んだが、2回目のアタックでタイムアップを果たし、1分32秒534で14番手スタートとなった。

 土曜日午後のレース1では、上位のマシンの1台がグリッドペナルティを受けたため、13番手グリッドからのスタートとなったが、スタート直後からマシントラブルを抱え、苦しい戦いを強いられたまま20位でフィニッシュ。日曜のレース2では、不調のマシンを最後までなだめながら走り切り、14位フィニッシュ。レース後、トップのマシンに車両違反が発見され、正式結果は13位となった。

「フリー走行からずっとマシンのバランスに悩まされ、パフォーマンス不足に悩まされた週末になりました。タイム差がかなりタイトな予選では、1周をまとめきれず14位に終わりました」と不完全燃焼の週末を振り返った万璃音。

「レース1ではスタートから終わりまでまったくペースが上がらず、セッティングのズレもありましたが、レース後、デファレンシャルギヤにトラブルがあることが判明しました。マシンがまったく思うように曲がらなかったのです」

「セットアップの修正をし、トラブルに関してはデファレンシャルギヤを交換してレース2に臨みました。しかしスタート直後から症状は変わらず、レースペースは苦しいものでした。交換したばかりのデファレンシャルギヤが、またしてもトラブルを抱えていたのは、自分にとっては信じがたい不運でした」

 信じがたいトラブルではあるが、すでに万璃音は前を向きムジェロでのレースに挑んでいる。「難しいレースが続いていますが、きっちりとチームと仕事を進めて、諦めずにまた頑張りたいと思います」

FIA-F2モンツァ 佐藤万璃音
FIA-F2モンツァ 佐藤万璃音

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