地元商店のファン増やせ 「五島まちゼミ」開催 パン作り、メーク、英会話など プロの技 店主が伝授

「五島まちゼミ」の受講を呼び掛ける実行委メンバー=五島市末広町

 長崎県五島市中心部商店街の店主らが、各業種のプロならではの知識や技術を市民に教える「五島まちゼミ」(実行委主催)が、18日から始まる。パン作りやメークレッスン、英会話講座など多様な体験メニューを用意し、新規顧客の開拓や店舗同士の交流を図る。10月18日までの期間中、19の講座がそれぞれ1~4回開催される予定。受講者を募集している。
 まちゼミは2003年、愛知県岡崎市で発祥。無料の少人数講座を通じて店や街のファンを増やし、客と店の信頼関係を深める取り組み。現在は全国の約400地域に広がり、約2万5千事業者が参加している。五島市での開催は初めて。
 市地域おこし協力隊として商店街活性化に取り組む久保竜太郎さん(35)によると、昨秋に実施したアンケートで店主らから「店同士の意見交換の機会が少ない」、「持続可能で集客や売り上げ増につながるイベントをつくりたい」などの意見が出た。こうした声に応えるため、五島でのまちゼミ開催を検討。まちゼミ発案者の松井洋一郎さん(岡崎市)からノウハウを学び、今年2月には久保さんや商店主ら計6人で実行委を設立した。
 五島まちゼミでは、本町通りや新栄町通り周辺の商店などが計19講座を開催。店の職人からパンやお好み焼きなどの作り方を教わったり、眼鏡の手入れやスキンケアを学んだりとさまざまな体験ができる。原則無料で、講座によって材料費などがかかる。事前申し込みが必要。店ごとの開催日時や詳しい内容を紹介するチラシは、市広報誌9月号に折り込まれている。
 久保さんは「来年以降も開催し、商店街のにぎわいや店主のモチベーション向上につながれば」と期待している。

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