DeNA、好機生かせず接戦落とす… “ラミ采配”も不発、惜敗で見えた不安要素

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DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

無死一、二塁の場面で倉本に犠打のサインも失敗。試合後は問われ「いい質問だ」

■中日 3-2 DeNA(11日・横浜)

DeNAは11日、横浜スタジアムで行われた中日戦に2-3で敗れた。前日まで7試合連続2ケタ安打を記録した打線が、中日先発・柳の前に5回まで1安打と沈黙。終盤の好機も生かせず、あと1点が奪えなかった。10日の阪神戦での1点差ゲームとはまた違った僅差の展開で、今季のチームの弱点と言うべき点が露わになった。

3点ビハインドから6回に1点を返して柳を降板させ、さらに7回にも佐野の四球と宮崎の安打で無死一、二塁のチャンスを作った。ここで打者の倉本に対して、ラミレス監督は送りバントのサインを選択。カウント2-1からの倉本のバントは投手の正面に転がり、佐野が三塁で封殺された。宮崎と佐野の走力に加えて今年の傾向を見れば、強行策も考えられたが、指揮官の選択は失敗に終わり、この回は無得点に終わった。

試合後のリモート会見で記者からバント選択の判断を問われたラミレス監督は「非常にいい質問だ」と前置きした後、「あの状況では、もちろん打たせるという選択もあった。ランナー2人の走力を考えると、佐野が三塁でアウトになる可能性も高いと思ったが、打たせればダブルプレーということもある。バント失敗ならまだランナー2人が残るので、バントのサインを出した」と経緯を説明した。前日まで7試合連続2ケタ安打でチーム打率は12球団トップという自慢の打線とは言え、これまで指揮官がバントを選択しなかったのは、“しない”のではなく“できない”という理由も、多分にあるのかもしれない。

「これまでと変わらずその日、その日の試合に集中するだけ」

さらに9回には、ソトの本塁打で1点差とした後、1死から宮崎がヒットで出塁。次打者は投手の武藤ということで、ラミレス監督はここで代打に柴田、そして代走に細川を起用した。中日のクローザーのR・マルティネスは150キロ後半の速球を武器に、この試合前まで防御率0点台と抜群の安定感を誇るが、走者を出してセットポジションとなり、さらにそちらに意識を向けさせれば、攻略の糸口はつかめる。

細川は長打力だけでなく、俊足にも定評があるが、相手投手にプレッシャーをかけられる“代走の切り札”的な存在感はまだない。選手起用の是非が問われる場面だが、これはラミレス監督の采配の問題ではなく、走りのスペシャリストが不在で、機動力という点では劣る布陣になっているということだろう。

さらに言えば、2死後に代打の乙坂が安打を放って一、二塁と一打同点となった場面で、ラミレス監督はこの日スタメンに抜擢した蝦名をそのまま打たせた。ベンチには一時期、指揮官が「代打の切り札」と評していた山下が残っていたが、若い蝦名の可能性にかけた期待値込みの判断は、結果的には失敗に終わった。

変則日程の今季は、セ・リーグはクライマックスシリーズが行われず、優勝のみがポストシーズンへの道となるが、2試合連続1点差負けで首位巨人との10ゲームに広がった。それでもラミレス監督は「これまでと変わらずその日、その日の試合に集中するだけ」と信念を貫く姿勢を見せたが、残り試合での逆襲に不安も露呈した惜敗だった。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)