「情報」基幹産業化へ研究会 長崎県と大学、企業 連携し方策探る 共同研究、人材育成・確保、事業拡大

情報産業の振興を目指し発足した産学官連携研究会の第1回オンライン会議=県庁

 長崎県は人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、ロボットなど情報産業の基幹産業化に向け、県内の大学・高専や情報関連企業などと協働事業の在り方などを話し合う産学官連携研究会を8月発足させた。「共同研究」「人材育成・確保」「事業拡大」の三つをテーマに意見交換し、事業規模拡大などの方策を検討する。
 県は2018年度、「情報」「海洋」「航空機」関連の3産業を造船業に次ぐ基幹産業に育て上げようと、28年度の目標数値を明記したロードマップ(行程表)を策定。このうち、情報関連産業については、当時456億円だった年間売上高を28年度に1506億円に引き上げ、雇用者数も3306人から6634人に倍増させる目標を定めた。
 研究会は目標達成に向けた取り組みの一環。長崎大、県立大、長崎総合科学大、佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)の教授らや県産業振興財団、県の職員らが参加し、このほどあった第1回オンライン会議では、教授らが企業との共同研究の状況などを報告、現状を共有した。県産業労働部の廣田義美部長は「人口減少など厳しい課題に直面する中、限られたリソース(資源)の中で最大限の成果を出すため、一体となって効果的な事業推進を図りたい」と呼び掛けた。
 県は今後、県情報産業協会(浜本浩邦会長)の会員67社などから大学・高専と意見交換を希望する企業を募り、三つのテーマで個別協議を実施。県内企業の事業拡大や技術力向上、企業誘致の促進、専門人材の育成・県内定着を図るための方策を検討する。年末までに意見をまとめ、来年度の事業に反映させる。

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