「人生一のホームラン」 川崎宗則、独立Lデビュー初球で決勝弾&MVPの独壇場

第1打席で初球を捉え、本塁打を放ったBC栃木・川崎宗則【写真:荒川祐史】

初回の第1打席で初球を右翼芝生席へ、好守も披露しスタンドの視線釘付け

ルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに今月加入した元ソフトバンクの川崎宗則内野手が13日、独立デビュー戦でいきなり特大弾を放った。本拠地の小山運動公園野球場での茨城アストロプラネッツ戦に「2番・三塁」でスタメン出場。3年ぶりの国内復帰戦の第1打席で、初球をフルスイングして右翼芝生席へ。これが決勝点となり、チームは3-0で勝利した。

慣れ親しんだ背番号52のユニホームを身にまとった川崎は、初回の第1打席で初球を迷わずにフルスイング。打球は大きな放物線を描き、右翼の芝生席へ。名刺がわりの特大デビュー弾にスタンドは騒然とした。3回1死出迎えた第2打席は一ゴロに倒れるも、一塁まで全力疾走する姿に大きな拍手が起きた。守備でも軽快な動きを見せ、強烈なゴロを弾きながらアウトにしたプレーには大きな拍手が送られた。

5回の守備から交代したものの、ベンチから大声でチームメートに声を掛け続けた川崎。その一挙手一投足に、スタンドの視線は釘付けだった。この試合のMVPにも選出され、グラウンドでのヒーローインタビューで「昨日は緊張で眠れず、朝まで相手投手の動画を見て研究していた」と語った。その後の取材で、デビュー弾について問われると「たまたま当たった」。新天地での感触に「人生一のホームランが栃木で打てて良かった」と感慨深げだった。

この日は、栃木で2年目を迎えた元阪神の西岡剛内野手も「4番・一塁」でスタメン。世界一に輝いた2006年のWBC、08年の北京五輪で二遊間を組んだ名コンビが一、三塁で復活した。さらに元ヤクルトの飯原誉士外野手兼ヘッドコーチが「5番・DH」、元ロッテの成瀬善久投手が先発し、元NPB戦士がそろい踏みだった。

川崎は17年に古巣のソフトバンクに復帰するも、自律神経の病気を理由に18年3月に退団。1年余りの時を経て昨季は台湾プロ野球の味全ドラゴンズでコーチ兼任としてプレーした。今季は契約が折り合わず、新型コロナウイルス感染拡大の影響で渡航できない状況もあり、無所属に。独自でトレーニングを進めていたが、実戦機会を求めて栃木に加入した。しばらく試合から遠ざかっていたが、ブランクを感じさせない鮮烈デビューだった。

【動画】初打席初球本塁打にスタンド騒然! 川崎宗則が放った特大弾の映像

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(小西亮 / Ryo Konishi)

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