FIA-F2第9戦イタリア レース2:ルンガーが2勝目。ビップスが3位表彰台、佐藤万璃音が8位入賞

 9月13日(日)、2020年FIA-F2第9戦イタリアのスプリントレース(決勝レース2)がムジェロ・サーキットで開催され、クリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)が優勝。日本の佐藤万璃音(トライデント)が8位入賞、松下信治(MPモータースポーツ)は14位、角田裕毅(カーリン)は19位だった。

 昨日に引き続き晴天に恵まれたムジェロの気温は28.6度、路面温度39.4度で、路面はドライコンディションだ。規定周回数は23周、タイヤ交換の義務はない。

 スターティンググリッドはリバースグリッドにより、ポールはアーテム・マルケロフ(BWT HWAレースラボ)、2番手ユーリ・ビップス(ダムス)、3番手ルンガー、4番手ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)となった。日本勢は松下は11番手、佐藤は14番手、角田は16番手からのスタートする。

 そして日本時間の18時55分、フォーメーションラップが開始、今季3度目の3連戦最終章が幕を開けた。ホールショットを奪ったのはフィーチャーレース(レース1)でも好走を見せていたルンガーがトップに浮上。また佐藤が順位を3つ上げ11番手で1周目を完了する。

 ルンガーはコース上でただひとり1分34秒台とライバルよりも1.5秒前後速いペースで後続を引き離していく。一方で2番手のマルケロフはペースに伸び悩み、首位と4.829秒がついた6周目にはデレトラズに交わされて3番手へ後退する。

 各車タイヤマネジメントに集中する10周目、ビップスがマルケロフを抜いて3番手に浮上。マルケロフはタイヤのデグラデーションが突然発生したか急激にペースを落としシューマッハーにもパスされてしまった。

 上位4台は各車2秒以上のギャップで周回するも、4位のシューマッハー以降はDRS圏内となる接近した状態で周回を続けていく。

 16周目、5番手ニキータ・マゼピン(ハイテックGP)の後方からルカ・ギオット(ハイテックGP)がホームストレートでスリップストリームを使いマシンを横に並べる。マゼピンは激しく応戦するもブレーキをロックさせながら1コーナーへ進入。

 外からかぶせたギオットはマゼピンの左タイヤに乗り上げるように接触、車体の右側が浮き上がりコースオフ。これによりVSC(バーチャルセーフティカー)が入り、11番手を走行していた角田や佐藤、松下ら下位走行組がタイヤ交換のギャンブルに出る。またこのタイミングでジュリアーノ・アレジ(BWT HWAレースラボ)がトラブルでレースを終えた。

 VSCは17周目に解除され角田は13番手、佐藤は14番手でレースを再開。角田は首位ルンガーよりも5秒速いペースで周回し、18周目には10番手まで回復する。

 20周目に8番手まで辿りついた角田だが、その直前にカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)と接触しフロントウイングを壊しており、ピットインを余儀なくされた。ソフトタイヤ交換組が上位勢に追いつき始めた21周目には、佐藤が8番手に浮上した。

 トップ3は順位に変動がなく、ルンガーは14秒の大差をつけて優勝、第2戦オーストリアのレース2以来の2勝目。2位にデレトラズ、3位にはビップスが入り初表彰台となった。

今季初表彰台の3位となったユーリ・ビップス(ダムス)
8位入賞の佐藤万璃音(トライデント)

 佐藤は前を行くライバルよりも4秒速いペースで猛追するも最後は0.037秒足りず。だが8位入賞しポイントを獲得している。

 松下は14位、角田は19位と、ともに2レース連続でノーポイントとなった。

 ポイントランキング首位は161点のシューマッハー、2番手に153点のアイロット、3番手に145点でルンガー、4番手に140点のシュワルツマンがつけている。

 なお過去3シーズンにおけるランキング4位のドライバーは、11戦開催の2017年は185点(5位:178点)、今季同様に12戦開催の2018年と2019年はそれぞれ202点(同186点)、204点(同159点)を獲得している。このことからランキング4位の目安はシーズン200点になりそうだ。

 次戦は9月25〜27日、ロシアのソチで開催される。

■FIA-F2第9戦イタリア スプリントレース(レース2) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 6 C.ルンガー ARTグランプリ 23Laps

2 11 L.デレトラズ チャロウズ・レーシング・システム 14.321

3 1 J.ビップス ダムス 14.870

4 20 M.シューマッハー プレマ・レーシング 18.018

5 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 18.382

6 4 C.アイロット ユニ・ヴィルトゥオーシ 24.421

7 8 J.ダルバラ カーリン 26.264

8 23 佐藤万璃音 トライデント 26.301

9 21 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 31.425

10 22 R.ニッサニー トライデント 32.942

11 5 M.アームストロング ARTグランプリ 34.902

12 12 P.ピケ チャロウズ・レーシング・システム 35.040

13 9 J.エイトケン カンポス・レーシング 35.254

14 14 松下信治 MPモータースポーツ 36.983

15 15 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 39.072

16 10 G.サマイア カンポス・レーシング 48.433

17 2 D.ティクトゥム ダムス 48.483

18 24 N.マゼピン ハイテックGP 50.793

19 7 角田裕毅 カーリン 1’09.649

20 16 A.マルケロフ BWT HWAレースラボ 1’21.885

— 25 L.ギオット ハイテックGP DNF

— 17 G.アレジ BWT HWAレースラボ DNF

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