MotoGP第7戦:ペトロナス・ヤマハのモルビデリが初優勝。ランキングトップのクアルタラロは2回の転倒を喫する

 MotoGP第7戦サンマリノGPの決勝レースがミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、MotoGPクラスはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)がクラス初優勝を飾った。チャンピオンシップのランキングトップ、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は2回の転倒を喫し、リタイア。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は9位でレースを終えた。

 決勝レースは気温29度、路面温度42度のドライコンディションでスタートした。好スタートを切ったのは、2番グリッドのモルビデリ、2番手に4番グリッドスタートのバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が続く。ポールポジションスタートのマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は3番手を走行していたが、ジャック・ミラー(プラマック・レーシング)に交わされ4番手に後退。クアルタラロは5番手に続く。

 序盤はモルビデリとロッシがトップ争いを展開。ふたりが抜け出し、3番手のミラー、少し離れてビニャーレスとクアルタラロ、さらにアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が続く状況。

 7周目、クアルタラロがビニャーレスをとらえ、4番手に浮上。しかしその翌周、クアルタラロが4コーナーでスリップダウン。クアルタラロはマシンを起こしてレースに復帰したが、20番手にまでポジションを落とした。クアルタラロの転倒により再び4番手のポジションを取り戻したビニャーレスだが、リンスにオーバーテイクを許し、5番手に後退。さらにミル、フランセスコ・バニャイア(プラマック・レーシング)にも背後につかれると、10周目にはバニャイアに交わされ6番手にポジションを落とす。ポールシッターだったビニャーレスは厳しい戦いを強いられることになった。

 一方、トップ争いは、モルビデリとロッシとの差が次第に開き始めていた。レース中盤の13周目を終えて、トップを守るモルビデリと2番手のロッシとの差は約0.7秒。オーバーテイクするにはやや開きがある状況だ。

 ロッシの約1秒後方には3番手のミラーが続いていたが、そのミラーにリンスが迫る。リンスはミラーの背後につけると、14周目の1コーナーまでにさらに差を詰めて2コーナーでオーバーテイク。ミラーは続いてチームメイトのバニャイアにも交わされ、5番手に後退した。

 3番手に浮上したリンスは、少しずつ2番手のロッシとの差を詰めていく。残り10周を迎えて、その差は約0.5秒。リンスの約0.2秒後方にバニャイアがつけ、ロッシ、リンス、バニャイアによって2番手争いの集団が形成されつつあった。トップのモルビデリはロッシの約2秒前方を走っており、すでに独走態勢を築いている。

 残り7周、2番手をキープしていたロッシを、リンスを交わして3番手に浮上したバニャイアがオーバーテイク。バニャイアが2番手に浮上し、ロッシが3番手に後退する。しかしそのロッシには依然としてリンスが迫る。さらにそのリンスに対し、ミルが少しずつ差を縮めていた。2番手に浮上したバニャイアはロッシ以下を引き離すことはできず、残り3周で、バニャイア、ロッシ、リンス、ミルが2番手争いのグループとなりつつあった。

 最終ラップを迎えて、ミルがリンスを交わして4番手に浮上。ミルはさらに、3番手のロッシを交わすと、3番手にポジションを上げた。

 トップのモルビデリは独走態勢を崩すことなく、そのままチェッカーを受けた。モルビデリにとってMotoGPクラスにおける初優勝。母国グランプリでの勝利だった。6番グリッドから2位フィニッシュを果たしたのはバニャイア。怪我からの復帰レースで、最高峰クラス初の表彰台を獲得した。3位のミルは今季2度目の表彰台獲得となった。

 4位はロッシ、5位はリンス。ポールポジションからスタートしたものの、苦戦を強いられたビニャーレスは6位でフィニッシュ。中上は14番グリッドから8位でフィニッシュしたが、トラックリミット超過により1ポジション降格となり、最終結果は9位。序盤に転倒し、後方を走っていたクアルタラロは、残り8周の6コーナーで再び転倒。リタイアとなった。

 この結果により7位フィニッシュのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)が76ポイントでランキングトップに浮上。クアルタラロは6ポイント差で総合2位にダウンしている。

2020年MotoGP第7戦サンマリノGP フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)
2020年MotoGP第7戦サンマリノGP決勝 フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)
2020年MotoGP第7戦サンマリノGP 優勝:フランコ・モルビデリ、2位:フランセスコ・バニャイア、3位:ジョアン・ミル

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