若者に選ばれる住まいとは? 長崎市 市営住宅で実験へ 入居し協力、学生ら改修に汗

市営住宅の空き部屋を使った実験に備え、壁などの塗装作業をする学生ら=長崎市宿町

 長崎市は、子育て世代や若者に選ばれる住まいの在り方を考えるため、大学生の要望を基に市営住宅の空き室を改修し、生活してもらう実験を始める。本年度中に市営宿町住宅の2、3室を改修する計画。14日は10月から入居予定の1室で改修作業を公開した。
 学生の意見や一帯の市営団地の住民へのアンケートを通して需要を把握し、来年度以降の市営住宅の改修や建て替えに反映させる。民間にも情報提供する。
 人口減少に歯止めをかけるための住宅政策「住みよかプロジェクト」の一環。近くの長崎総合科学大(網場町)で建築学を学ぶ学生らが協力する。市営住宅には通常、若者の単身者は入居できないが、特例的に認める。家賃を安く設定する一方、自治会活動への積極的な参加を求めており、地域活性化の可能性も探る。
 実験では築43年の市営宿町住宅8号棟(11戸)を使う。14日に公開した1室は2DK(47平方メートル)で学生らが壁の塗装作業に汗を流した。今後、畳をフローリングに張り替える。
 現在は自宅通学で、10月から入居予定の同大4年、大原正義さん(22)は「住みながら、改善点を見つけていきたい。周りは高齢者が多いので生活の手助けも考えていく」と話した。
 他の改修では、学生のアイデアをより反映させる。

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