メッツの球団売却が合意 北米プロスポーツ最高額の24億ドル超

メッツの経営権を握るウィルポン一家は日本時間9月15日、球団をスティーブ・コーエンへ売却することで合意に達したことを発表した。関係者によると、売却額は24億ドル(約2500億円)をわずかに上回る金額となっており、これは北米プロスポーツチーム史上最高額だという。今回の球団売却は、他球団のオーナーの承認を経て、正式に成立する。

ヘッジファンド界の大物であるコーエンはメッツの大ファンで、現在はチームの株式の8%を保有している。昨年11月に過半数の株式の購入を試みたものの、交渉は成立しなかった。メッツがオークションにかけられたため、コーエンは再び球団買収に挑戦し、ウィルポン側との独占交渉を行っていた。コーエンは「ウィルポン家、カッツ家との間でニューヨーク・メッツを買収する交渉が合意に達したことを嬉しく思います」との声明を発表している。

関係者の話によると、今回の交渉には2030年まで全試合を放送する契約を結んでいるケーブルネットワーク「SNY」は含まれていないという。また、ウィルポン側は株式の5%を引き続き保有する。球団売却が成立するためには、29球団のオーナーのうち23人以上の承認が必要であり、無事に売却が成立すれば、メッツにおけるウィルポン政権は34年間で終了することになる。ウィルポンのもとで、メッツは1986年にワールドシリーズ制覇、2000年と2015年にはリーグ優勝を経験した。

フォーブスによると、コーエンには146億ドル(約1兆5000億円)の資産があるという。コーエンはこの資産を武器に、オークションで他の複数のグループを上回り、独占交渉の権利を手にした。メッツの買収には元メジャーリーガーのアレックス・ロドリゲスとその婚約者のジェニファー・ロペスが率いるグループも含まれていたが、コーエンの前に撤退を余儀なくされていた。

© MLB Advanced Media, LP.