セ本命は巨人戸郷か広島森下? パは西武の160キロ右腕…新人王の行方を占う

広島・森下暢仁(左)と西武・平良海馬【写真:荒川祐史】

セ・リーグは戸郷と森下の一騎打ち、現時点では戸郷が一歩リードか?

新型コロナウイルスの感染拡大で3か月遅れで開幕した2020年のプロ野球。9月14日を終えた段階で各球団が70試合超を消化した。折り返し地点を過ぎて、ペナントレースもいよいよ終盤戦へと向かっていく。

セ・リーグは巨人が首位を独走し、15日に優勝マジック「38」が点灯した。一方のパ・リーグはソフトバンクが首位に立ち、ロッテが猛追している。残り50試合弱で、この優勝争いの行方がどうなるかは気になるところ。そしてペナントの行方と共に注目されるのが各賞レースの行方だ。

その中でもここではセパ両リーグの新人王の行方に着目。主要な候補者たちのここまでの成績を振り返り、新人王の行方を占ってみたい。

【セ・リーグ】
◎戸郷翔征(巨人)11試合7勝3敗0S 64.2回 防2.37
○森下暢仁(広島)11試合6勝2敗0S 71.2回 防2.39

・その他の候補
大江竜生(巨人)23試合2勝0敗0S6H 21回 防2.14
馬場皐輔(阪神)25試合1勝1敗0S8H 24回 防2.25
清水昇(ヤクルト)32試合0勝4敗0S19H 34回 防2.38
増田大輝(巨人)50試合29打数7安打0本0点15盗 .241

セ・リーグの新人王争いは巨人の2年目右腕・戸郷と、広島のドラ1ルーキー森下の一騎打ちといっていいだろう。共に開幕からローテの一角を担い、ここまで戸郷が7勝、森下が6勝をマークしている。現時点では白星と防御率では戸郷がリード。投球回では森下が上回っている。戸郷が優勝に近づいている巨人で菅野と共に大車輪の働きをしていることを考えると、ここまでは戸郷が新人王の本命だろうか。

戸郷と森下のほかにはリリーフとしてプレーする若手の活躍が目立つ。巨人の大江、阪神の馬場はここまでそれぞれ23試合、25試合に登板。ヤクルトの2018年ドラ1清水はここまで19ホールドをマークしている。投手陣とは対照的にセ・リーグでは、野手の候補が少ない。巨人の増田大は主に代走での起用ながら、リーグ2位の15盗塁をマーク。盗塁王のタイトル獲得はなるだろうか。

ロッテ・安田尚憲【写真:荒川祐史】

パ・リーグは楽天の小深田、ロッテの安田と野手2人も有力な候補

【パ・リーグ】
◎平良海馬(西武)32試合0勝0敗0S15H 30.2回 防2.35
○小深田大翔(楽天)67試合207打数56安0本16点11盗 .271
▲安田尚憲(ロッテ)68試合236打数53安5本38点2盗 .225

・その他の候補
吉田凌(オリックス)21試合2勝1敗0S3H 18.2回 防1.45
宮川哲(西武)31試合0勝1敗0S7H 27.1回 防3.95
和田康士朗(ロッテ)46試合46打数10安0本0点18盗 .217

パ・リーグで本命に挙がるのは西武の高卒3年目右腕の平良だろう。ここまで西武の勝利の方程式として32試合に登板して15ホールド、防御率2.35。最速160キロの唸るような剛速球に目を奪われたファンも多いはずだ。対抗となるのは楽天のドラフト1位ルーキー小深田か。首位を争う楽天で主力としてプレーし、ここまで打率.271、11盗塁を記録している。

ロッテの安田はチームの4番としてここまで5本塁打38打点をマーク。現在.225の打率が後半戦でさらに上昇すれば、新人王の本命となる可能性もある。3人の他にもオリックスの吉田凌、西武の宮川らも活躍。ロッテの“スピードスター”和田も、俊足と守備力でチームに貢献している。こちらは盗塁数リーグトップ。ソフトバンク周東や日本ハム西川との争いを制することはできるだろうか。(Full-Count編集部)

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