ロボットが働き、エレベーターは混雑知らず?東急不動産とソフトバンクが本気出した「東京ポートシティ竹芝」の全容

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豊洲、晴海、有明といったいわゆる東京のベイエリアは、従来の豊かな水辺環境を活かして再開発が進む地域です。オリンピック関連施設が集積することから世界中からも注目を浴びていますが、このエリアの一つが竹芝。竹芝に、ソフトバンク本社が入社する「東京ポートシティ竹芝」が開業しました。

このビル、まるで「スマート機能全部乗せ!」とも言うべき省人力化がこれでもかと盛られています。活気が失われつつあった港湾地区を、一気にスマートシティに変身させたこの施設。最新鋭の施設の特徴をご紹介したいと思います。


そもそも竹芝という土地って?

竹芝は浜松町の東に位置し、東京湾の入り口で羽田空港へのアクセスにも優れていますが、近年まで付近の建物の老朽化が進んだり、町会も解散するなどして地元の繋がりも希薄となったりと、地域の活力がめっきり沈んでいました。

そんな中、竹芝は2015年、規制緩和を進め、ビジネスの活性化および国際的な経済活動の拠点になることを目的とした国家戦略特別区域に指定されました。その中核プロジェクトとして建設されたのが、「東京ポートシティ竹芝」です。9月14日、敷地面積は約1万2000平方メートル、延床面積約18万平方メートル、建物の高さ208mという超巨大な複合施設が開業しました。

竹芝ってどこ?という人もいるかもしれませんが、JR浜松町駅から、首都高速道路をまたぐ歩行者デッキで直結しています。もちろんバリアフリーで、デッキの長さ約240メートル、高さは地上約16メートル。これまでに見たことがなかった景観を楽しむことができます。

浜松町駅からオフィスタワーをつなぐ歩行者デッキ

たくさんのロボットが働く

「東京ポートシティ竹芝」は、ビジネス拠点となる40階建ての「オフィスタワー」、住まいとして貸し出す18階建ての「レジデンスタワー」の2棟に分かれています。いずれも最新鋭のスマート機能はもちろん、近年叫ばれている「世界的に持続可能な開発目標」SDGsにもピッタリ合致する構造もふんだんに取り入れられています。

オフィスタワー 外観

「東京ポートシティ竹芝」の特筆すべき点は、スマート機能の充実です。入居するローソンでは遠隔操作型のヒューマノイドロボットを導入。おにぎり、弁当などの商品の品出しを全部ロボットが行うというから驚きです。

運用初期は遠隔操作型ですが、最終的には完全な自律式制御のロボットに移行。さらにはロボットによるフライドフーズの作成まですることも検討しているようです。将来的には他店への導入・拡大も目指していくのだそうです。

ロボットコンビニイメージ

ビル内の掃除や警備もロボットが行います。ソフトバンクロボティクスのロボット掃除機・WhizはAIを搭載し、トレーニングによって清掃機能を高めていくロボットです。人間とロボットとで清掃の役割分担をし、効率化をはかります。

警備もガードマンではなく、EQSENSEの自律移動の警備ロボット・SQ-2が採用されています。巨大なひょうたんのようなロボットで、巡回、立哨、動哨といった警備業務を行い、人力の負担を軽減しながらより高度で安全性の高いセキュリティを実現するそうです。

エレベーターやお店の混雑をモニタリング

さらに最先端のセンシングデバイスと解析によって、ビル内の集客、混雑状況などのデータを収集し、リアルタイムで処理・配信します。施設利用者にとって、これまでは「行ってみなければわからない」エレベーターホールの混雑状況、トイレの空き状況なども、専用アプリでお知らせしてくれる仕組みです。

また、レストランやコンビニなどのテナントに対しても、AIカメラ、Wi-Fiデータなどで施設利用の傾向を分析。レポートとして運用者に提供することで、「売り上げ予測」「在庫管理最適化」などをサポートします。

東急不動産の岡田正志社長は14日の説明会で、「テクノロジーの力により、『混雑回避』や『非接触』を実現致しました。結果として、ウィズコロナの働き方にもマッチした、新時代の働き方改革につながる取組となりました」と語りました。

効率性だけでなく、様々な立場の人への徹底した配慮も

ここまで見て、実に合理的である反面、「こんなに便利だと、人間この先どうなるんだろう」「便利すぎて人間が退化するんじゃないか」と心配にもなりました。しかし、斬新なのはスマート機能だけではありません。近年叫ばれているSDGsなどにも通ずる、様々な立場の人への配慮も取り入れた設備も充実しています。

例えば、オフィスタワーの2階には、祈祷室が設けられています。空港などでもよく見かけますが、このようなオフィス、商業ビルでは珍しいもの。祈り、祈祷、黙祷、思索などのために、あらゆる宗教・思想の人が自由に使うことができます。

さらに、今っぽいのが、同じ階に設けられた「オールジェンダートイレ」です。海外では特に増えているタイプで、性別に関係なく使用できます。特に性同一性障害などの人は、男女どちらのトイレを使うべきか悩むことも多いといい、少しずつ広まっている形式です。もちろん、性別ごとに分られた一般的なトイレや、小さなお子さん連れの方や身体障害者の方が利用される多目的トイレもあります。

施設内に飲食店など21店舗が営業をスタート

14日には、コンビニのローソンを含む21店の店舗が開業しました。レストラン、カフェ、ラーメン店、酒場などもあり、「東京ポートシティ竹芝」と直接の関わりがない人でも利用することが可能です。

ふんだんに取り入れられたスマート機能、そして様々な人々への配慮を細部にわたって実現した「東京ポートシティ竹芝」。行ってみると、私たちが暮らす未来のカタチがそこにあるかもしれません。