森山未來が新感覚朗読ソロパフォーマンスツアーを開催――声と身体、そして光で感じてほしい

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9月16日(水)、森山未來が演出・振付を手がけ、そして、出演する新感覚朗読パフォーマンス「『見えない/見える』ことについての考察」の合同取材会を都内で行った。

同作は、2017年に東京藝術大学で初演され、全4回という少ない公演数ながら、新しい表現のかたちとして大きな話題を呼んだ作品。

前回の公演を観劇した記者から「この世のものとは思えない表現だった」と告げられ、苦笑い

今回は、森山のソロパフォーマンスとしては初の全国ツアーとなり、<日常を失った世界に問う「本当に見ること」とは>という問いかけとともに、全国7ヵ所全38公演を実施する。

生のふれ合いでしか体験できない時間を皆さんと共有したい

登壇した森山は、「このような状況下、地方7ヵ所のツアーをさせてもらうことにいろんなリスクがあることはもちろん承知なんですけど、舞台だけに限らず、表現したいという欲求、見たい、触れたいという欲求は変わらないんじゃないかとこの数ヵ月、感じてきたので、それを信じてツアーを成功させたい」と意気込んだ。

司会者から、創作のきっかけを問われた森山は、「東京現代美術館のキュレーターであり、東京藝大の教授でもある長谷川祐子さんから『朗読をしてみないか』とお声がけいただいて、朗読の内容をブレストした時に出てきた作品がノーベル文学賞作家ジョセフ・サラマーゴの『白の闇』と、フランス人作家モーリス・ブランジョの『白日の狂気』でした」と回顧。

森山未來

続けて、「『白の闇』はまさくパンデミックというか、ある日世界中の人が盲目になってしまい、そこからどう新しい社会を作っていくのかというフィクション的な作品で、『白日の狂気』は散文詩的な作品」と説明。

さらに、「その作品から僕は、内面的な盲目性を考察しているという印象をうけて、外的な要素として盲目になるという話と、内面的に盲目であるのではないかという二つの作品を交錯させたら面白いんじゃないかと。また、東京藝大には球体ホールという特殊な空間があって、まるで目の中にいるような印象を受けたので、そんな作品をつくってみたらどうかというところから立ち上げました」と、作品誕生のいきさつを報告した。

1年間のイスラエル留学を経て、その存在感はさらに変化した

前回の公演から3年が経ったことで、気持ちの変化に話がおよぶと、「初演が2017年で、去年はUAEのシャールジャという場所でやらせていただきました。2017年当時、2020年がこういう状況になるとはまったく想像していなかったんですけど、世界中がおかれている状況、これからどういうふうに生きていくのかという価値観が変化していってるなかで、今この作品をやる意味というのが皮肉にも強く出てしまったんじゃないか」と心情を吐露。

そんな中、再びこの作品を世に送り出すことに「現在、興行的な部分ではやりづらい位置にあるんですけど、映像作品などとは違い、実際にその場所で、そこで出会った人たちで作品なり、世界を共有することの強さが舞台芸術にはあるので、生のふれ合いでしか体感できない時間を皆さんと体験できれば。“生”で出会えさえすれば、それだけで大丈夫なんじゃないか」と本番への期待をのぞかせた。

森山未來

また、森山といえば確かな演技力と、5歳から学んできた様々なジャンルのダンスを武器に、唯一無二の俳優として異彩を放っているが、報道陣から「普段、どんなトレーニングをしている?」という質問が。

これに「外出できない期間はジョギングみたいなことをしていました」といい、「普段はヨガをベースに自分で組み立てたルーティンワークがあって、それは1、2帖あればできるので家でもやっていました」と明かしたほか、「意識的にトレーニングをやる部分もあるんですけど、日々、環境や状態は変化していったり、自分のバイオリズムもあったりするので、トレーニングをしていないとパフォーマンスができないというメンタルでは生きないようにしています」と発言。

報道陣から「手を振ってほしい」とリクエストされ、はにかんだように一瞬だけ手を振る瞬間も。そんな恥ずかしがり屋の森山が繰り出す超絶パフォーマンスは必見

さらに、「今の身体でやれることを発見できる可能性があると信じているので、トレーニングをしなきゃならない、っていう強迫観念みたいなものにはあまりとらわれないようにしています」と、トレーニングに関する意外な持論を展開していた。

公演は10月14日(水)の神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールを皮切りに、全7ヵ所で行われる。詳細は公式HPにて。