住宅ローン「一括返済」のベストタイミングっていつ? 注意点とあわせて解説

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「一括返済」は住宅ローンの繰り上げ返済の方法のひとつ

住宅ローンの「一括返済」は繰り上げ返済の一種で、まとまった額を用立てられたときに残債をまとめて返済する方法をいいます。例えば、住宅ローンを組むときに退職金での一括返済の予定を組むことも一つの方法です。

一括返済をすると住宅ローン契約と同時加入した団体信用生命保険(団信)の契約も終了してしまうので、生命保険に加入する、もしくは加入済の生命保険の保障内容を見直すことをおすすめします。

加えて「抵当権抹消登記」を自分で行う必要がありますので、管轄の法務局で手続きを行いましょう。

一括返済をするとどんなメリットがある?

一括返済をすると返済後の利息がなくなり、返済総額を減らせることが大きなメリットです。また、月々の住宅ローンの支払いがなくなるので精神的な負担が軽減されるでしょう。加えて住宅ローンの契約時に保証会社へ前払いした保証料の一部が、返金される場合もあります。

繰り上げ返済には「一部返済」もありますが、一括返済の方がより高い利息の軽減効果が期待できます。

一括返済をするとどれくらいお得になるの?

一括返済をした場合、返済総額をどのくらい減らすことができるのでしょうか? ここでは借入金額2500万円で元利均等方式、金利は2%の固定金利、返済期間35年の場合を例にします。もしも途中で一括返済などの繰り上げ返済をしなければ、返済総額は3478万2404円です。

そして5年後に一括返済をすると返済総額は2741万1918円で737万円ほど、10年後では返済総額は2950万9105円で527万円ほど、20年後では返済総額は3276万6500円で202万円ほど軽減できます。

返済期間が長くなるほど利息額も増えていくので、早いタイミングで一括返済をした方が返済総額をより減らすことができます。

一括返済のベストタイミングはいつ?

一括返済は早い方が返済総額を減らせるのですが、ベストなタイミングはただ早いというだけでは決められません。

例えば今後子どもの進学などまとまった支出の予定がある場合や、現在の収入状況が不安定な場合は、すぐに一括返済をするのはおすすめできません。逆に子どもが社会人になっており、手元に貯蓄の余裕があるという場合でしたら、一括返済してしまった方がお得です。

住宅ローンは他の種類のローンよりも金利が安いのが特徴です。そのため、一括返済で貯金を減らしてしまうよりも、万が一に備えつつ段階的に一部返済を利用した方が良い場合もあるかもしれません。

住宅ローン控除の額と軽減される利息額とを比較してみる

「住宅ローン控除」は一定条件を満たしていれば所得税が控除され、住宅ローンの残債額の1%の還付金が受けられる制度をいいます。

住宅ローン控除は住宅購入後から10年間と決められているため、もしも購入後10年以内に一括返済をしてしまうと残債額がゼロになり、それ以降の住宅ローン控除が受けられなくなってしまいます。

住宅購入から10年以内に一括返済を考える方は、一括返済時に軽減される利息額と住宅ローン控除額とを比較してみましょう。特に住宅ローンの金利が1%未満であるなら10年間住宅ローン控除を利用した方がメリットになる可能性がありますので、一括返済のタイミングは慎重に検討されることをおすすめします。

一括返済をする際の注意点とは?

一括返済をすると、一時的に手持ち資金が大きく減ってしまいます。例えばけがや病気などで思わぬ出費が必要なときに対応できる額が残っていないと、別のローンを申し込むような事態にもなりかねません。

また、一括返済は思い立ったらすぐにできるわけではありません。返済予定の1ヶ月前までには契約者から住宅ローンの返済先の金融機関などへ連絡しましょう。その後は手続きの書類に記入し、期限までに返送する必要もあります。

ケースによっては一括返済時に手数料がかかることも。住宅ローンの残債額によって異なる場合がほとんどですので、あらかじめ問い合わせておくとよいでしょう。

住宅ローンの一括返済はタイミングと状況をみて

住宅ローンを一括返済すると、その後の利息分がなくなり、返済総額が減らせるのが大きなメリットです。しかし、一時的に貯金を大きく減らすことになるので、万が一に備えられるだけの余裕資金は確保しておいてください。

一括返済は早ければ早いほど効果がありますが、家族の状況やライフプランを含めてタイミングを判断することが大切です。住宅購入から10年以内に一括返済すると、住宅ローン控除が受けられなくなることを覚えておきましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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