「葬儀」において遺体の表情にショックを受ける人が多数。生前の姿に近づける技術「エンバーミング」とは

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最近では「終活」という言葉がよく聞かれるようになり、自分が死ぬこと、死んだ後のことについて考える人が多くなってきたように思います。「終活」では、葬儀・お墓の準備、遺言書の作成などが行われているようです。

自分が死んだ後に行われる「葬儀」。参列する人はどういった感情になるのでしょうか。今回、一般社団法人 日本遺体衛生保全協会は、1年以内に葬儀(告別式)への参列経験がある20~80代男女500名を対象にアンケート調査を実施。様々な結果が明らかとなりました。

調査結果

調査では最初に「葬儀において印象的だったこと・もの」を質問。結果は「故人の遺影」(42%)と「故人(ご遺体)の表情」(39%)が多いという結果に。やはり、会場や参列者などより、亡くなられた故人の顔が印象に残りやすいようです。

次に、「葬儀において故人の顔をご覧になりましたか?」と質問したところ、実に93%が「見た」と回答。また、「葬儀でご覧になった故人の顔(表情・顔つき)は記憶に残っていますか?」という質問には96%が「残っている」と回答しました。最後に故人を見る機会ということもあり、記憶に残りやすいようです。

生前の顔との違い

ここまでの調査から葬儀の際、故人の顔が記憶に残りやすいことが明らかになりました。しかし、葬儀に参列した方の中には故人の生前の顔とご遺体の顔の違いにショックを受ける人も多いようです。

「故人の顔と生前の顔を比べて、表情や顔つきに違いを感じましたか?」という質問では、66%の方が違いを感じると回答しました。

具体的なエピソードとしては、

「闘病でやつれてしまったうえに、血色も感じられないので、違う人のようだった。」

「薬の副作用で顔色が紫にみえるほど膨張していて、とてもショッキングだった。」

といったものが寄せられました。

故人を生前の姿に近づける「エンバーミング」とは?

このような問題を解決するため、故人の顔つきや表情を生前の姿に近づける技術として登場したのが「エンバーミング」。海外では顔つきや表情の改善の他、防腐、細菌・ウイルス等の感染防御にも効果があるとして普及しています。(新型コロナウイルス感染症に対しては現在調査が行われている段階です。)

今回の調査では、この「エンバーミング」についても質問。しかし、「エンバーミングについて知っていますか?」という質問には「ワード・意味ともに知っている」人は22%、「ワードのみ知っている人」も14%という結果にとどまりました。日本ではまだ認知度の低い技術のようです。

そして、次に「エンバーミング」について説明した後、「あなたは、エンバーミングに興味がありますか?」と質問すると、59%の方が「ある」と回答。また、「今後、家族・親族などを送り出す機会があればエンバーミングを検討したい」と答えた人は56%、「自分の葬儀でもエンバーミングを取り入れてほしい」という方も49%と、それぞれ約半数にのぼりました。

厚生労働省による「エンバーマー」の研修事業がスタート

近年ではエンバーミングの技術者である「エンバーマー」への注目も集まっています。エンバーマーは、今回の調査でも明らかとなった生前とご遺体の顔の違いにショックを受けることを無くし、ご遺体を衛生的に保つため、ご遺体の消毒・殺菌、防腐処置、修復・化粧をおこないます。

2019年からは、厚生労働省による認定エンバーマーの養成研修事業も始まっており、感染症の流行時や災害時にエンバーミングの技術が活用されることを想定した研修などが実施されています。

今回の調査では、葬儀の際は故人の顔が記憶に残りやすいことや、生前の顔との違いにショックを受ける人も多いということ、日本ではまだエンバーミングの知名度が低いことなどが明らかになりました。今後は、エンバーミングとともに、職業としてのエンバーマーの注目度も高まっていくことが予想されます。