波佐見町職員談合で逮捕に「またか」 地元動揺

職員の逮捕を受け、記者会見で謝罪する一瀬政太町長=波佐見町役場

 東彼波佐見町発注工事をめぐる官製談合事件で町職員と業者が逮捕された16日、町関係者には「信じられない」と動揺が広がった。同町では2017年12月にも同様の官製談合事件が発覚。わずか3年弱の“再発”に同業者からは「また繰り返すのか」との不満も噴出した。
 同日午前9時、逮捕された男性容疑者(39)が勤務する町教委には県警捜査員が次々と入り、関係書類を押収。町役場からも段ボール箱が運び出された。
 町教委によると男性容疑者は、04年4月に入庁。17年4月から教育総務班係長として、町内小中学校の改修や設備更新など公共工事の設計をほぼ1人で担い、設計金額を決める立場にあった。「仕事熱心で優秀」と高く評価されるが、今月1日に「しばらく休みたい」と連絡があり、出勤していなかったという。
 関係者によると、もう一方の男性容疑者(52)は町内唯一の電気工事会社を経営し、同町職員の男性容疑者との仕事のやりとりは多かったとみられる。昨年3月、同町が発注した町内4小中学校の空調機設置工事のうち3校を同社が落札。同じ入札会に参加した業者は「『町と話ができているのでは』とうわさが立った」と明かす。別の業者は「数年前のほとぼりも冷めないうちに談合するとは。価格を知られたのでは勝負にならない」と憤った。
 同町では、17年12月の官製談合事件を受け、外部専門家を交えた再発防止検討委で対策を協議。職員倫理規定の策定や全職員へのコンプライアンス研修に取り組んできた。会見で一瀬政太町長は「町民の皆さんに多大なご迷惑をおかけした」と陳謝。「指導は怠りなくやってきたが行き渡らなかった。反省すべきところは反省し、現場からの声を吸収しながら一つ一つ再発防止策を講じていきたい」と述べた。

 


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