長崎県・波佐見町職員が談合で逮捕 業者に金額漏えいか

家宅捜索を終え押収品を運び出す捜査員=16日午後2時46分、波佐見町役場

 長崎県の東彼波佐見町が発注した小中学校の空調機設置工事で設計金額を漏らしたとして、県警は16日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで同町教育委員会教育総務係長の男性容疑者(39)=佐世保市三川内本町=を、公契約関係競売入札妨害の疑いで波佐見町の電気工事会社代表取締役の男性容疑者(52)=同町湯無田郷=を逮捕した。
 県警は同日、波佐見町役場や同町教育委員会、電気工事会社などを家宅捜索。県警によると、2人は容疑を認めている。過去の入札で顔見知りだったとみられる。今後、金銭の授受など贈収賄容疑も視野に捜査を進める方針。
 同町教委の男性容疑者の逮捕容疑は2019年3月上旬ごろ、工事に必要な費用を見積もった設計金額を電気工事会社の男性容疑者に漏らし、同14日に実施された町立小中学校の空調機設置工事3件の指名競争入札で、いずれも最低制限価格に近い金額で同社に落札させた疑い。電気工事会社の男性容疑者は情報を得て入札の公正を妨害した疑い。
 県警捜査2課と波佐見町によると、官製談合の疑いがあるのは東小と南小、波佐見中の工事3件。いずれも同社が落札し、落札額は計約1億5600万円。最低制限価格から少なくて3万円、多くても24万円しか離れていなかった。


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